ロイター通信によると、米国の航空会社にとって、マイレージプログラムはパンデミック中の重要な収入源となった。景気が後退したとしても、そこからの収益が航空会社を支えると見る専門家もいる。
この種のプログラムは40年以上前に誕生。以来、協業パートナーへのマイルの販売、クレジットカードの発行などを通じて、航空会社は利益を上げてきた。主要なマイレージプログラムでは、獲得マイルの半分以上が非航空系でのショッピングで貯められている。
コンサルティングIdea Works Company社の調査によると、米大手航空5社のマイレージプログラムで生み出された収益の割合は、2019年の12%から2022年には16%に上昇した。
米国のLCCジェットブルー副社長のクリス・バックナー氏は、「パンデミック中、人々は飛行機に乗ることを控えていたが、クレジット付きマイレージカードでの消費は増えた」と明かす。たとえ旅行需要が減退したとしても、この傾向は続くと見ている。
デルタ航空は昨年、アメリカンエキスプレスおよびパートナー企業での販売から57億ドル(約7400億円)を稼いだ。これは旅客収入の14%に相当する額だ。同様に、アメリカン航空も45億ドル(約5850億円)、旅客収入の10%相当を稼いだ。
パートナー企業も広がりを見せている。ユナイテッド航空は、ウィルス対策ソフトウェアNortonやホームセキュリティのSimpliSafeと提携。アラスカ航空は住宅ローン会社、ジェットブルーはカバン会社、デルタ航空はスターバックスや食品配送会社とパートナーを組んだ。
英国サリー大学教授のフランキー・オコーネル氏によると、アメリカン航空、ユナイテッド航空、デルタ航空のマイレージプログラムにおける投下資本利益率は60%を超え、全業種平均の5%を大きく上回っているという。
※ドル円換算は1ドル130円でトラベルボイス編集部が算出