アラスカ航空は、総額19億ドル(約2800億円)でハワイアン航空を買収することで合意した。アラスカ航空は、ハワイアン航空株を1株あたり現金18ドル(約2600円)を支払う。
買収後も、ハワイアン航空は、そのブランド名のまま運航を継続。統合後はアラスカ航空が加盟するワンワールドに属することになる。新会社の本社はシアトルに置き、アラスカ航空のベン・ミニクッチCEOが率いることになる。ミニクッチCEOは「共通の価値観を持つ2社を統合することで、他社との差別化を図ることで、米国4大航空会社と競合できる企業になる」と述べている。
今回の合意には、ハワイアン航空の負債9億ドル(約1320億円)も含まれている。両航空では、今回の買収により、取引完了後から2年以内に利益が増加すると予測。正式な買収は、今後12ヶ月~18ヶ月後に完了する見込みだ。
今回の取引きについて、両航空の取締役会ではすでに承認されているが、ハワイアン・ホールディングスの株主からの承認が必要になる。また、航空会社の統合が運賃値上げにつながる可能性を懸念する米国規制当局の承認も必要となる。
米政府の反応は?
米政府はジェットブルーによるスピリット航空の買収を阻止しようとしているほか、ジェットブルーとアメリカン航空との提携を破棄する訴訟でも勝訴している。
今春のシアトル発の国内線航空券の平均運賃は409.93ドル(約6万260円)だった。 米国運輸省のデータによると、これは2年前の293.08ドル(約4万3100円)から上昇。また、ホノルル発国内線平均運賃は367.94ドル(約5万4100円)で、2年前の329.93ドル(約4万8500円)から値上がりした。
一方、アトモスフィア・リサーチ・グループの旅行業界アナリストであるヘンリー・ハートベルト氏は、「両航空では路線の重複が少ないことを考えると、この取引案はワシントンで大きな不安を引き起こすことはないかもしれない」との考えを示す。
ハートベルト氏によると、両航空は歴史的に競合他社よりも従業員に気を配っており、企業文化の点でも類似点は多いという。
※ドル円換算は1ドル147円でトラベルボイス編集部が算出
※本記事は、AP通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳・編集しました。