トリップ・ドットコム(Trip.com)は、2024年10月1日から中国で始まる国慶節の連休に向けた中国の旅行市場の動向を明らかにした。同社のデータによると、ホテル予約のピークは、連休初日の10月1日。今年は、2日間の休暇を追加で取得すれば10連休になることから、平均旅行日数は7日を超えているという。
旅行費用については、日本、韓国、米国、オーストラリアなど主な海外旅行先への平均航空券価格が下落しているため、質の高い中級クラス以上の宿泊施設が求められる傾向。欧州旅行での5つ星ホテルの予約は、アジア太平洋のほぼ3倍になっている。
人気は、長距離旅行先にシフトしている。オーストラリア、米国、ニュージーランド、英国、フランス、スペインなどが人気で、英国、スペイン、ドイツ、イタリアなどでは滞在日数の長期化も見られる。
また、欧州では30%以上が複数の目的地を巡る旅程を選択。一方、アジア太平洋地域では、ほぼ80%が単一の目的地の旅行を選んでいる。
ビザ申請をおこなう時期も早まっており、昨年は出発から平均29日前、今年は平均68日前となった。ビザ申請の上位国は、日本、韓国、オーストラリア、米国、ベトナム、ニュージーランド、英国、フランス、スペインだった。
ウェルネスとエンタメが人気
オーバーツーリズムが世界の主要観光地の課題となっている中、Trip.comのデータでは中国人旅行者の旅先選びに変化が起きていることがみてとれる。
日本の目的地では、横浜、高山、伊東などゴールデンルート以外の都市で予約数が3桁の伸びをみせた。特に、東伊豆の温泉は美しい景観とウェルネス体験で人気が高まっているという。
長距離方面では、グラナダやセビリアといった観光地も大きな注目を集め、予約はそれぞれ260%、144%増加した。
また、アジア太平洋地域を目的地とする観光客の75%以上がミレニアル世代というデータも。同社によると、彼らはイベントやコンサートに強い関心を示し、人気K-POPアーティストのコンサートが開催される香港、バンコク、釜山などの予約が増加。シンガポールでは、コンサート会場から3キロ以内のホテルの予約が増加している。