
スウェーデン・ストックホルム政府観光局(Visit Stockholm)は、ANAの羽田/ストックホルム線直行便就航を受けて、日本市場でのプロモーションを強化する。このほど、来日したストックホルム政府観光局マーケティング・マネージャーのジョナス・アイバイン氏は、「ANAの直行便開設は非常に嬉しいこと。日本から、ストックホルムだけでなく北欧全体への旅行がよりしやすくなる」と今後への期待を述べた。
ANAは、2025年1月31日から週3便で同路線を新規開設。コロナ禍で当初計画から就航は遅れたが、日本の航空会社としては初のストックホルム線となる。機材は787-8の3クラス184席仕様(ビジネス32席、プレミアムエコノミー14席、エコノミー138席)を投入。スウェーデンにはSpotify、Skype、H&M、IKEAなど国際的な企業も多いことから、ビジネス渡航や貨物の需要も見込む。
北欧へは現在、スカンジナビア航空が羽田/コペンハーゲン線を運航。同航空はエールフランス-KLMの支援を受けており、2024年9月にはスターアライアンスを離脱し、スカイチームに加盟した。ANAとの関係では、マイル提携は終了したものの、コードシェアは継続している。
文化観光から世界遺産まで、観光素材をアピール
ストックホルム圏内の人口は約200万人で、北欧最大の都市。アイバイン氏は、その観光の魅力として、美食、文化、ファッション&デザイン、自然などを紹介した。
美食では、2023年に「欧州美食の首都」に選出され、特にサステナブルな食事に注目が集まっているという。
文化観光では、旧市街の「ガムラスタン」「ノーベル賞博物館」「スウェーデン国立美術館」「アバ(ABBA)ミュージアム」などのほか、今回代表団の一員として来日した、1628年に沈んだスウェーデン海軍の巨大な木造戦艦を展示する「ヴァーサ号博物館」、世界初の野外博物館「スカンセン野外博物館」からも概要が説明された。
また、ストックホルム圏内の3カ所のユネスコ世界遺産として、17世紀に建設された王宮「ドロットニングホルム宮殿」、近代建築の共同墓地「森の墓地」、西暦750年ごろのバイキングの前哨基地「ビルカ」がある。
自然体験では、約3万の島々が集まる「ストックホルム・アーキペラゴ(群島)」をアピール。そのうち、26島では、ホテル、B&B、グランピングなどの宿泊施設が整い、様々なアドベンチャートラベルや文化体験が楽しめるとアピールした。
ストックホルム政府観光局プロジェクト・マネージャーのアナ・スワルブリング氏によると、ストックホルムへの日本人旅行者はコロナ前の水準には回復しておらず、同じアジアでは韓国からの旅行者数に遅れをとっている。ただ、クローネ安が続いていることから、「日本人にとっては、行きやすいデスティネーション」との考えを示した。
「スウェーデンと日本には強い絆がある。地理的には離れているが、共通の価値観を共有している」とアイバイン氏。ストックホルム政府観光局は、ANAの直行便開設を契機にレジャー、ビジネス双方での交流拡大を進めていきたい考えだ。