チューンホテルズの最大のフランチャイジーであるレッド・プラネット・ホテルズ・リミテッドは、日本でのホテル所有と運営を行なう子会社を設立し、日本でのバリューホテル事業を開始する。100億円の初期投資と数十億円規模の投資拡大で、2020年までに20軒の開業を目指す。
すでに2013年8月、第1号となる「チューンホテル那覇・沖縄」(117室)をオープンし、2016年6月に東京・浅草(約140室)の開業予定も発表。
2014年1月16日の記者会見でレッド・プラネット・ホテルズ・リミテッド最高経営責任者(CEO)のティモシー・ハンシング氏は、「今年はあと5~7軒の契約を予定している」と計画の着実性をアピール。子会社のレッド・プラネット・ジャパン代表取締役社長の小野間史敏氏も「景気の回復基調、インバウンド増加の良いタイミングにある。20軒開業のビジョン達成は可能」と自信を示した。
▼アアジアCEO設立のバリューホテル
国内市場がターゲット、需要が多様な都市部中心に展開
チューンホテルズは、エアアジア(AK)のCEOであるトニー・フェルナンデス氏らが設立した“バリューホテル”。主要顧客はバジェットセクターだが、5ツ星ホテル水準のベッドやパワーシャワーなどを備え、「価格に対する価値の大きさに目を向ける客層がターゲット」(ハンシング氏)と、他の価格訴求型ホテルとの差異を説明する。
日本では「国内需要がほとんど」だが、ホテルスタッフは全員が英語を話せる日本人とし、訪日客にも対応。レジャーおよびビジネスでの利用を見込む。すでにオープンしているチューンホテル那覇・沖縄の場合、夏はレジャーが多く、大半が日本人客だという。
浅草以外の計画はまだ発表段階にないとするが、基本方針として季節変動の影響を最小化するため、多様な需要が見込める場所で展開。「そう考えると日本では大都市を選ぶ傾向になる。東京は重要なマーケットで、今後数か月以内のうちに東京を中心にいくつの計画を発表できれば」(ハンティング氏)との考えだ。
▼旅行会社の販売も重視、OTAや「伝統的な旅行会社とも」
販売チャネルは自社ウェブサイトによる直販のほか、旅行会社経由の販売も重視。販売比率は立地や季節によって異なるが、都市型の場合は95%が直販になると想定する。旅行会社の流通では特に「オンライン旅行会社(OTA)が主なチャネルの一つになる」と説明。他の地域でもOTAの流通が大きいといい、日本ではじゃらん、楽天を「大切なパートナー」とあげた。ただし、「いわゆる伝統的な旅行会社とも関係を持ち、例えばリゾート地の夏のピーク期のパッケージなど得意分野に期待している」とも語る。
▼協業は理念共感がポイント
エアアジアなど航空会社とのパッケージ販売も視野に入れており、提携先についてはLCCなどにこだわらない考えを披露。ただし、「我々の価格価値を理解し、提供してくれるかどうか」とポイントを示唆した。
チューンホテルズは2007年の設立以来、マレーシアや英国など
(取材・記事:山田紀子)