観光庁は2014年3月5日、「観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドライン」を策定した。観光地や道路、公共交通機関などの共通表示のルールを、外国人の目線に立って策定し、多言語対応の改善・強化としたのがポイント。「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」の一つで、2013年10月から検討会での議論を重ねてきた。
共通ガイドラインでは、多言語対応の考え方として使用言語は「英語を基本」に決定。「禁止・注意」「名称・案内・誘導・位置」を示すものは、英語の併記を基本とする。ただし、「展示物等の文章解説」は問題がない限り、英語の表記を行なうことが「望ましい」とした。その他の外国語については、施設や地域の特性や必要性が高い施設では表記することが望ましいとしている。
また、表記方法も策定。英語の場合は「固有名詞(ローマ字)+普通名詞(英語)」が基準だが、「清水寺」のように固有名詞だけでは意味をなさなかったり、普通名詞部分を含めた全体が固有名詞として認識されている場合は、「固有名詞(ローマ字)+普通名詞(ローマ字)+普通名詞(英語)で表記。清水寺は、「Kiyomizu-dera Temple」となる。また、温泉は現在、「Onsen」「Hot Spring」「Spa」など混在しているが、「Onsen」に統一する。
このほか、英語、中国語、韓国語では、400以上の用語・文例で対訳後も設定。視覚的な表現で伝えられるピクトグラム(禁煙、立ち入り禁止など)や、パンフレット、モバイル媒体、係員の口頭案内や音声案内などと相互補完することも効果的とした。
なお、対応時期については「禁止・注意」を促す内容は「速やか」に、「名称・案内・誘導・位置」を示す内容などは「できる限り早期」が望ましいとしている。