KNT—CT連結業績、2014年12月期は減収減益、当期純損益は赤字に

KNT-CTホールディングスの2014年12月期の連結業績(2014年1月1日~12月31日)は、売上高が前年比3.3%減の4334億3200万円、営業利益が13.1%減の33億7700万円、経常利益が15.8%増の40億9800万円で、当期純損益は12億5400万円の赤字となった。2014年12月には特別損失の計上と通期業績予想の下方修正を発表していたが、予想よりは営業利益と経常利益は増益となり、純損益も損失額が減少した。

2014年度も近畿日本ツーリストとクラブツーリズムの統合シナジーの最大化をめざし、各種施策に取り組んできた。店頭でのクラブツーリズム商品の販売やホームページの相互リンク、チャーター便の共同販売に加え、9月には統合後初のオリジナル共同イベント「最上川ミュージック花火」も開催。統合に伴う旅行企画素材の拡充で、新規顧客の獲得にもつながったが、外的要因や特に個人旅行事業における事業構造改革が予想以上に遅れ、苦戦した。事業別状況は下記の通り。

なお、2015年12月期(2015年1月1日~12月31日)の連結業績予想は、売上高が3.2%増の4475億円、営業利益は18.4%増の40万円、経常利益は2.5%増の42万円で、当期純利益は21億円と発表した。


▼個人旅行事業:ウェブ販売と店頭の高度化を推進、クラツーとの共同店舗も

個人旅行事業では、国内旅行商品「メイト」、海外旅行商品「ホリデイ」で高品質・高付加価値旅行の充実を図る一方、7月にはウェブ宿泊予約「e宿」を開始し、ウェブ販売を強化。クラブツーリズムではテーマ性・企画力に富んだ独自性の強い商品で他社との差別化を図った。しかし、国内旅行では昨年の遷宮効果やTDR30周年の反動減、海外旅行は急激な円安や、価格志向型の顧客取り込みの対応ができず苦しい結果となった。

  • 個人旅行事業連結売上高:6.8%減の2508億2100万円
  • 個人旅行事業連結営業利益:20.9%減の16億5400万円

▼団体旅行事業:MICE開拓を強化、「未来創造室」でウェアラブル端末使用商品も

近畿日本ツーリストでは提案型営業を強化し、特にMICEを積極的に開拓。企業や学校を中心に成果があった。特にスポーツ分野ではソチ五輪での応援団、FIFAワールドカップブラジル大会での法人の招待旅行、東京マラソン2014でのスポーツイベント関連需要などで積極的な営業展開を行なった。10月には「未来創造室」が新設。「産後ケア&レスパイトホテルパッケージ」やウェアラブル端末による「スマートツーリズム」など、新機軸の商品の販売も始めた。その結果、売上高は前年を上回ったが、営業利益は利益率の低下から前年を下回る結果となった。

  • 団体旅行事業連結売上高 5.2%増の1055億9000万円
  • 団体旅行事業連結営業利益:11.2%減の17億7700万円

 

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