急峻な坂道から離島まで、新聞配達員目線で長崎の風土を紹介
今回の動画の舞台は長崎です。
この動画の主役は新聞配達員。制作は長崎新聞。新聞配達のルートをたどることで、長崎という独特の風土を見事に紹介しています。深夜、印刷が終わり、配達地域ごとに分配され、それぞれの地域に向けて出発。朝起きる前に届くように。坂の上だろうが、離島だろうが、急ぎます。対馬でさえ、朝の8時過ぎには届くようです。125年間続けられてきた知恵と工夫の配達もまた、長崎の風土の一部になっているのでしょう。
長崎新聞配達員「日々の軌跡」(Youtube:約3分半)
1571年の開港以来、日本の近代にとって重要な役割を果たしてきた町であることは、日本人なら誰でも知っていること。長崎市内にはグラバー邸、大浦天主堂、出島、亀山社中跡、諏訪神社、軍艦島などなど歴史にまつわる観光素材には事欠きません。ただ、平坦な土地は長崎湾沿いに猫の額ほどしかなく、急峻で細い坂道が周りを囲む山々に伸びているため、街歩きは正直疲れます。その地形のため、子供の頃に自転車に乗る習慣がなく、大人になっても乗れないままの人も結構いると聞きますから、坂道は長崎の風土そのものと言ってもいいかもしれません。
長崎の風土といえば、離島が多いのも特色。対馬、壱岐、平戸諸島、五島列島、西彼諸島と大きく5つに分類されますが、全体では594もの離島が点在しています。だからこそ、隔絶された離島は迫害を受けたキリシタンが逃げ込むには絶好の場所だったのでしょう。今でも信者によって大切に使われている教会は数多く残っています。
トラベルジャーナリスト 山田友樹