森記念財団都市戦略研究所が発表した「世界の都市総合力ランキング(Global Power City Index, GPCI)」の2019年の結果で、東京は4年連続で世界3位となった。トップ10の順位は昨年から変化はなかったが、1位ロンドン、2位ニューヨーク、3位東京、4位パリはいずれもスコアが低下。特に東京は大きく下落しており、4位のパリに迫られた格好となった。
東京は、五輪開催に向けて「文化・交流分野」や「環境分野」の「持続可能性」や「自然環境」でスコアを上げたものの、「GSP成長率」や「優秀な人材確保の容易性」でスコアを落とした。「居住分野」では新規指標の「働き方の柔軟性」で2ランク、「交通・アクセス」では新規指標の「通勤・通学時間の短さ」が低評価で3ランク順位を下げた。
1位のロンドンと比較すると、東京は「文化・交流分野」での差が大きく、改善が急務と指摘。特に「ホテル客室数」は全都市で最多であるものの、「ハイクラスホテル客室数」は少なく、「美術館・博物館数」や「劇場・コンサートホール数」「ナイトライフ充実度」の評価も低い。魅力ある観光コンテンツの拡充は、世界一を目指す上で評価向上のカギになるとした。
このほか、ニューヨークとの比較では「経済分野」「研究・開発分野」で大きな差があり、「ワークプレイス充実度」「スタートアップ環境」の改善が必要。パリとの比較では、「国際線直行便就航都市数」や「社会の自由度・平等さ」の評価が低く、国際ネットワークや暮らしやすさに課題が残るとしている。
同調査は世界の主要48都市を対象に、各都市の力を「経済」「研究・開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通・アクセス」の6分野で総合的に評価した。