東京商工リサーチによると、2021年1月の旅行業の倒産は2件で、3カ月連続で前年同月(3件)を下回った。2020年度(2020年4月~2021年1月)の累計倒産件数は前年同期比11.1%減の16件で、低水準にとどまる。新型コロナウイルス対策として実施された、政府の給付金や金融機関の支援融資などが奏功して倒産を抑制したとみられ、東京商工リサーチは「過去20年で最少を記録した2015年度の25件を下回る可能性が出てきた」と推測している。
負債総額は前年同月比63%減の9600万円で、3カ月連続で前年同月を下回った。2件ともに負債総額1億円を下回り、破産を選択。新型コロナに伴う販売不振やキャンセル発生に見舞われ、業績悪化のため事業継続を断念した。このうちの1件は第3種旅行業者のドゥ・トラベルで、ハワイや北米、中南米ペルーのオーダーメイド旅行を手がけていたが、競争激化で売上不振が長期化していたところ、新型コロナで資金繰りが限界に達し、東京地裁より破産開始決定を受けた。