JTB総合研究所が実施した「新型コロナウイルス拡大による、暮らしや心の変化と旅行に関する意識調査」によると、宿泊先を選ぶ際に他者との接触を避ける意識がより高まるなど、コロナ禍での旅行スタイルの変化が浮き彫りになっている。
調査は2020年2月から連続して実施しており、今回の調査結果は2度目の緊急事態宣言下となった2021年1月中旬の結果を過去調査とも比較しながらまとめたもの。全国に居住する20歳以上の男女6520人にインターネットで予備調査を実施。2021年中に国内旅行を予定・検討している人984人を抽出し、2021年1月20~25日の期間中、本調査を実施した。
まず、国内の宿泊施設を選ぶ際に、より重視するようになったことは「消毒やマスク着用などの衛生管理が徹底されていること」が36%でトップ。「個室で食事ができること」(25.7%)、「露天風呂付客室や貸切風呂が利用できる施設であること」(19.8%)といった項目への関心も強く、他者との接触を避け、宿泊先でも“巣ごもり”の要素を求める傾向がうかがえる。
また、周囲から旅行を止められる人も少なくない。「周囲からは言われていないが、自分自身も不安なので旅行を控えたい」は24.4%で前回の2020年9月調査から増加した。しかし、1度目の緊急事態宣言下に実施した2020年4、5月の水準には至っていない。性年代別では、男女ともに年代が上昇するほど、自ら自粛する意思が明確に出た。
最後に、コロナ禍による気持ちや行動の変化を尋ねたところ、割合が高かったのは、「日頃から健康に気を配っている」(33%)、「スマホを見る時間が増えた」(32.8%)、「ルールは守り、正しいことをすべきだ」(32.4%)、「無駄な出費は控えるようにしている」(27.7%)の順。特に、女性40代の「スマホを見る時間が増えた」が49.4%と高く、呼応するかのように「店で買うよりネットショッピングを利用することが増えた」も32.6%となった。
調査結果の詳細は下記から参照できる。