ハワイ州観光局、レスポンシブル・ツーリズム(責任ある観光)・地域重視の活動強化、SDGs学習の渡航先として認知拡大へ

ハワイ州観光局(HTJ)は、今夏以降の日本市場からの旅行者回復に向けて準備を進めている。HTJ日本支局長のミツエ・ヴァーレイ氏はメディア向けのオンライン説明会で「(上部組織の)ハワイ・ツーリズム・オーソリティ(HTA)が国際市場で重視しているのは日本、韓国、カナダ、オーストラリア。現状では活動は最小限にせざるを得ないが、日本については、パイロットプログラムとして管理型パッケージを含めて準備を進めていく」と今後の方向性を説明した。

2020年のハワイへの日本人渡航者数は前年比81%減の29万7000人。2021年は約50万人を見込む。ヴァーレイ氏は「バイデン政権のもと、予算も確保できている。3年、5年、10年計画でしっかりと観光産業を復活さていく」と話し、長期戦で取り組む姿勢を示す。

HTJとしては、最初に戻るのはリピーターやコアなハワイファンと見込み、今年6月にかけては、その層に向けたコミュニケーションとして、SNSなどで安全情報や新しいプロダクトの提案を継続していく考え。

ヴァーレイ氏は「今夏の東京オリンピックの開催やGo Toトラベルの再開による国内旅行の回復が、アウトバウンドにどうつながっていく注目している」という。そのうえで、HTJが実施した調査結果からも、アウトバウンド再開の最大の壁は「帰国後の14日間の隔離」だとした。

また、一般消費者向けには、昨年は中止となった「ハワイ・エキスポ」をオンラインで開催する計画。正式な開催日程についてはまだ未定としながらも、プラットフォームの構築を進めているという。

一方、旅行業界向けには、「6月までは活動は制限せざるを得ない」としながらも、3月からはハワイ観光関連パートナーや専門家を招く「ハワイ・ツーリズム・フォーラム」を3回に分けてオンラインで開催。また、現地観光事業者との商談会「ジャパン・サミット」を7月頃に開催する方向で準備を進めている。

さらに、今後の回復に向けて、MICEにも注力していく。特に力を入れるのがインセンティブ、教育、エンターテイメントの3分野。ヴァーレイ氏は、インセンティブについては、すでにインフラが整っており、CSRやグローバル人材の育成などで多彩なプロダクトがあることを強調。MICEでは特に、「学びのハワイを訴求していく。ハワイでは資源保護の意識が高まっている。そうした地元の声をすくい上げ、戦略を立て、新しいプロダクトを開発していく」と話し、これまで以上にDMOとしての役割が重要になってくる考えを示した。ハワイ州では現在、各島で地元のニーズに合わせた観光戦略を立案しているところだという。

3つのプロジェクトで「マラマ・ハワイ」を展開

HTJがDMOとしての活動として最優先で長年取り組んでいるのが「レスポンシブル・ツーリズム」の啓蒙と展開だ。今後は「マラマ・ハワイ」としてブランディングし、一般消費者と旅行業界双方で訴求を強化していく。「Malama」とはハワイ語で「思いやり」という意味だ。

「マラマ・ハワイ」は3つのプロジェクトに分けられ、プロジェクト1では、新しいキャンペーンを立ち上げる。4月に詳細が発表される予定だ。プロジェクト2では、古代ポリネシア人のカヌーを再現した「ホクレア号」をフックに、姉妹都市や日本のNPOとの連携を強化。「ハワイのSDGsを知ってもらう機会を創出する」(ヴァーレイ氏)。さらに、「アロハ+チャレンジ」として、さまざまな社会課題に取り組む活動を支援していく。プロジェクト3では、ハワイスペシャリスト検定をアップグレードし、旅行会社の社内トレーナー育成プログラムを進めていく方針。

ヴァーレイ氏は「コロナ禍で、日本の自治体や観光学科との学生とのリレーションが増えている。ハワイがSDGsの学習や社会貢献に役立つデスティネーションであることをもっと知ってもらう機会を作っていく」と話し、「マラマ・ハワイ」などを通じて、新しいハワイのブランディングイメージを浸透させていく方針を示した。

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