東京商工リサーチは、上場企業の「雇用調整助成金」の活用について調査を実施し、その結果をまとめた。それによると、2021年4月末までに決算資料で雇調金を計上または申請が判明した上場企業は716社で上場企業の18.6%にのぼり、計上額の上位10社のうち9社が航空・観光関連の企業となった。
2020年度分の支給額は3兆1555億円で、リーマン・ショック直後の支給額(約6500億円)の約5倍に達した。
計上額別では、最も多かったのは1億円未満で272社(構成比38%)。50億円以上100億円未満が3月末時点の8社から10社(構成比1.4%)に増加した。
716社の業種では、製造が278社(計上額811億6550万円)で最多。次いで、観光を含むサービス141社(同833億3140万円)。全上場企業に対する利用率は、小売が約4割にあたる38.8%でトップ。次いで、航空、鉄道など交通インフラを含む運送が35.2%、サービス26.7%と続き、業種による業績の「二極化」が進んでいる現状が伺える結果となった。
計上額の上位10社は以下の通り。
- ANAホールディングス 437億円
- オリエンタルランド 223億800万円
- 近鉄グループホールディングス 124億4000万円
- エイチ・アイ・エス 100億1300万円
- 西武ホールディングス 93億2500万円
- 西日本旅客鉄道(JR西日本) 83億700万円
- KNT-CTホールディングス 79億2200万円
- 阪急阪神ホールディングス 70億9800万円
- クリエイト・レストラン・ホールディングス 68億円
- 東急 61億1300万円