今年の夏休みの国内旅行人数は4000万人、昨年より5%増、一方で2019年比では45%減、滞在日数や平均費用も減少

JTBがまとめた今年の夏休み(2021年7月20日~8月31日)の旅行動向によると、今夏に1泊以上の旅行に出かける国内旅行人数は4000万人の見通しだ。対前年比では5.3%増だが、8月22日まで最大の旅行市場である東京、沖縄に緊急事態宣言が発出されていることもあり、新型コロナウイルスの影響がなかった2019年比では44.8%減にとどまる。国内旅行の平均費用は2019年比で9.6%減の3万3000円。総旅行消費額は同50%減の1兆3200億円と推計している。

調査は7月5~9日、15~79歳の男女1万名を対象にインターネットで実施。「夏休みに旅行に行く/たぶん行く」と回答した人1030名を抽出し本調査を実施したほか、経済指標、業界動向や予約状況からまとめた。

JTB発表資料より

約8割は「旅行に行かない」

期間中に旅行に「行く/たぶん行く」と回答したのは19.3%。コロナ禍前の夏休みの旅行以降がおおむね40%前後で推移していたのに対し、例年の半分程度にとどまった。性年代別では、男女とも若い年代ほど旅行意欲が高い。

一方で、約8割は今夏「旅行に行かない(50.7%)/たぶん行かない(29.5%)」と考えている。旅行に行かない理由については、「まだコロナの影響で、旅行することに不安があるから(45.1%)」が最も多く、「コロナ新規感染者数が減っているとは言えない状況だから(37.1%)」、「コロナ第5波が心配だから(31.1%)」が続き、新型コロナが大きく影響している。

JTB発表資料より

3泊以下の短期傾向が顕著に

旅行に「行く/たぶん行く」と回答した人に詳細を聞いたところ、旅行日数は「1泊」が41.9%で最も多く、「2泊(29.6%)」、「3泊(15.3%)」が続いた。3泊までの旅行が全体の86.8%を占めており、コロナ禍前の2019年(84.3%)より2.5ポイント上昇。短期傾向が強まっている。

同行者は「夫婦のみ(25.6%)」が最多で、次いで「子供連れ(中学生までの子供)の家族旅行(22.4%)」。また、「ひとり(20.3%)」は2019年(13.4%)より6.9ポイント増加しており、感染防止や周囲への配慮からひとり旅が増えていることもうかがえる。

旅行目的や動機は「帰省、離れて住む家族と過ごす(21.5%)」が最も多く、「温泉でゆっくりする(17.4%)」、「自然や風景を楽しむ(10.7%)」が続いている。

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