ANAホールディングスは2021年10月29日、2022年3月期連結業績予想を下方修正し、35億円の黒字と見込んでいた純損益を1000億円の赤字に見直すと発表した。赤字は2期連続となる。
足元で国内の新型コロナ新規感染者数が急減して国内旅客需要が回復したのに加え、国際線貨物需要も好調に推移しているものの、変異株の流行で当初予定よりコロナ禍の影響が長期化していることを踏まえた。売上高の予想も1兆600億円(前期は7286億円)と見直した。営業損益は1250億円の赤字(前期は4647億円の赤字)を見込む。
なお、同日発表した2022年3月期第2四半期決算の売上高は、前年同期比47.7%増の4311億円の大幅な増収。国際線旅客は現在も出入国が制限されているものの、国際貨物が過去最高の売上高を更新し、全社を挙げたコスト削減が奏功した。
営業損益も赤字とはいえ、前年同期の2809億円の赤字から大幅に改善し、1160億円の赤字となった。固定費をコロナ前と比べ約3割削減していることも踏まえ、ANA ホールディングス代表取締役社長片野坂 真哉氏は、「第4四半期には黒字転換を目指す」と語った。