米旅行調査会社フォーカスライトは、中国の最新旅行市場動向を調査した「ChinaTravelMarket Report 2021-2025」リポートを公表した。それによると、2022年6月下旬に中国到着後の隔離期間が14日から7日間(加えて自宅での3日間の隔離)に短縮されることが発表されて以降、オンラインでの旅行検索が急速に伸びており、2022年後半には多くの国際線が復活する見込みと分析している。
中国政府は「ゼロコロナ政策」を継続しているため、中国の海外旅行市場の先行きはまだ不透明だが、フォーカスライトは、2023年に状況が改善した場合、2024年の総予約額は1820億ドル(約25兆円)に達し、2019年レベルを上回ると予測した。
特にデジタルコマースが旅行需要の回復を後押しすると分析。総収益に占めるオンライン予約は2021年の66%から2025年には73%に上昇し、オンライン総予約に占めるモバイル比率は、2019年の80%から2025年には88%に達すると予測している。
また、今後5Gが普及し、最先端スマートフォンの利用が広がると、OTAのモバイル予約はさらに加速し、その総収益は2025年に760億ドル(約10.5兆円)に達すると見込んでいる。
このほか、調査リポートでは国内旅行市場についても言及。海外旅行が事実上禁止されているなか、旅行需要は国内に向いたものの、ゼロコロナ政策による厳しい移動制限によって、2020年の国内旅行回数は延べ約28億回で、2019年比52%減。2021年はやや持ち直したものの、延べ約33億回で2019年比46%減となった。
※この記事は、世界的な旅行調査フォーカスライト社が運営する「フォーカスライト(Phocuswright)」から届いた英文記事を、同社との提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。
※ドル円換算は1ドル138円でトラベルボイス編集部が算出
オリジナル記事:Key developments in China’s online travel market