旅行分野で進むビジネスモデルの変革、既存モデルを覆すエアアジアやホッパーは成功するのか?【外電】

最近のオンライン旅行分野で最も興味深い進歩のひとつは、エアアジア、eDreams Odigeo、ホッパー(Hopper)などの新興勢力が既存のビジネスモデルの常識をひっくり返していることだ。

例えば、航空会社はこれまで、航空券の販売、クレジットカード会社との優越的な取引、付帯サービスへの課金などで利益を上げてきた。ところが、エアアジアを運航するキャピタルAは、スーパーアプリを進化させ、自社だけでなく他社便も取り扱うことで、売上を伸ばしている。その月間アクティブユーザー数はすでに1000万人を超えた。

エアアジアは、チェコに本拠を置くKiwi.comと提携し、このサービスを「FlyBeyond」として提供している。従来のように他社とのコードシェアでもなく、ジョイントベンチャーでもなく、他社と深いビジネス関係を築かずに、スーパーアプリ上で、エアアジアが飛んでいない目的地へのフライトをワンストップで予約できるようにしている。

このエアアジアのビジネスが今後うまくいくかどうかはまだ分からない。しかし、デジタル決済ソリューション、Eコマース、ライドシェアなども提供するスーパーアプリ戦略のひとつとして、同社にメリットを与えているようだ。

スペインのOTAであるeDreams Odigeoは、サブスクリプションモデルを取り入れている。フライトとホテルの割引を提供する「Edreams Odigeo Prime」プログラムには、現在300万人以上が登録し、会費として年間60ドル(約8220円)〜75ドル(約1万300円)を払っている。このサービスは、立ち上げてから2022年5月までの12か月間で、全体の売上高4億2400万ユーロ(約585億円)の約40%を占めるまでに成長した。

サブスクリプションモデルは、すでに世界でエアアジア、トリップアドバイザー、ホテルブランドのSelina、高級宿泊施設プロバイダーのInspiratoなども始めている。

モントリオールを拠点とするホッパーは、フィンテック技術を活用して、従来のOTAのビジネスモデルを変えている。25ドル~45ドル(約3400円〜6200円)を払うことで、フライトやホテルの価格を1~2週間凍結するサービスはすでによく知られているところだ。

ホッパーは、価格予想のテクノロジーを駆使すれば、価格が高騰した場合に顧客に対して航空運賃やホテル料金の差額を支払うよりも、サービス料金ではるかに多くの利益を上げることが可能だと考えている。

ある評論家は、実際にフライトやホテルの手数料よりも価格凍結で稼ぐことができるようになれば、従来のOTAのビジネスモデルは崩れ、ホッパーに追随するOTAが現れてくるだろうと予想している。

※ドル円換算は1ドル137円、ユーロ円換算は1ユーロ138円でトラベルボイス編集部が算出

※編集部注:この記事は、米・観光専門ニュースメディア「スキフト(skift)」から届いた英文記事を、同社との提携に基づいてトラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

オリジナル記事:Business Model Innovation Is the Hottest Thing in Online Travel

著者:Dennis Schaal氏

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