エア・カナダ、来夏の日本路線は2019年上回る座席供給へ、水際対策緩和後のインバウンド予約が絶好調

エア・カナダは、2023年夏期スケジュールの日本/カナダ路線について、復便や機材の大型化によって2019年同期を約5%上回る供給量で運航する。このほど来日したヴァージリオ・ルッシ・インターナショナルセールス担当ヴァイスプレジデントは、「大西洋路線では国境再開後に急激に需要が回復したが、アジア太平洋でも同様な回復が見られるだろう」と来年にかけての需要回復に期待を寄せた。

エア・カナダは、2023年4月21日から羽田/トロント線を毎日運航で再開。成田/トロント線は2023年1月18日から毎日運航に、成田/モントリオール線は2023年5月2日から毎日運航にそれぞれ増便し、成田/バンクーバー線については、2023年3月26日から787-9から777-300ERに機材を大型化する。さらに、2023年6月2日からは関西/バンクーバー線を週4便で再開する。

ルッシ氏は「日本は地政学的にも重要なマーケット」と位置付け、スターアライアンスパートナーのANA便との接続で、アジアの都市や日本国内からカナダへの送客を強化していく考えを示した。特にモントリオール線への直行便は現在、アジアでは成田のみとなっていることから、「友人・知人への訪問をはじめモントリオール以遠への乗り継ぎ需要にも期待が持てる」との認識だ。

日本発のアウトバウンドについては、「現在は経済的困難があるが、来年夏頃には本格的な回復基調に入るのではないか」との見通し。一方、カナダからのインバウンドについては、日本の国境再開を受けてすでに回復が見られるという。

2022年12月1日から2023年3月31日までの予約状況は、11月6日時点での日本からカナダへの予約数でみると9月18日と比較して49.4%増。一方、カナダから日本への予約数は同じ比較で222.6%増となっており、日本の水際対策緩和の効果が表れる結果となっている。

ルッシ氏(左)とアジア太平洋地区統括支社長のワイス貴代氏

さらに、ルッシ氏は機内サービスについて、「コロナ禍では接触サービスを控えてきたが、すでにコロナ前と同じサービスに戻している」と説明。エア・カナダは、国際線では新しいダイニングサービスを提供し、2023年からは機内エンターテイメントのコンテンツを25%以上増やし、ライブTVやBluetooth接続などの新機能も導入する予定だ。

このほか、ルッシ氏は流通についても言及。パンデミック中はウェブサイトでの直販が増えたが、コロナ禍が収まり、旅行代理店の業務が戻り始めると、代理店経由の予約も回復してきたという。「直販はOTAとの価格競争になってしまう。一方、日本の旅行会社の販売単価は高い傾向にある」と話したうえで、「エア・カナダとしてのプライオリティは、あらゆるチャネルで販売していくこと」と付け加えた。