タビナカ予約サイトの世界大手「ゲットユアガイド(GetYourGuide)」共同創業者兼COOのタオ・タオ氏がこのほど来日し、同社の取り組みについて語った。欧米では、国際観光が急回復をみせており、同社も2022年のグローバル全体の売上げが2019年比で2倍に。日本市場についても、10月のインバウンド再開後に急激に訪日客の予約が伸び、1週間あたりの予約数はコロナ前と同水準になっていると明かした。
ゲットユアガイドは、2009年にドイツ・ベルリンで創業したスタートアップ。現在はタビナカ予約プラットフォームの世界大手として、世界150カ国以上で展開、約6万件のタビナカ商品を19言語で取り扱っている。ユーザーの多くが米国や欧州の居住者。旅行頻度が高く、旅で現地の生活や文化に触れる本物の体験を求める高学歴・高可処分所得者がメインだという。
同社は創業以来、こうしたユーザーを実績重視のパフォーマンスマーケティングと企業価値を高めるブランドマーケティングを両輪で獲得してきた。デジタルマーケティングで獲得したユーザーに、期待を裏切らない付加価値の高い体験を提供することで、リピートにつなげるサイクルを構築している。
タオ氏は、欧米の旅行者から旅先として人気が高い日本について「デスティネーションとして重要」と認識。今後の日本での展開において、まずは、日本のタビナカ商品の掲載数を増やしていきたいとの見解を示す。欧米の旅行者にとってユニークな神社仏閣や日本独自のテーマパーク、陶芸や華道などの文化体験、さらに日本のアイドルやアニメに関する体験など、日本ならではのローカル体験を拡充していく。満足度が高い日本のタビナカ体験を提供することで、さらなる成長につなげたい考えだ。
商品ラインナップを増やしていくにあたっては、事業者との直接連携を重視している。さらに、強みとしている最先端のAPIツールで日本のパートナー企業との連携も進める。中長期的には、日本人ユーザーの利用を促進し、日本発の海外旅行や国内旅行での成長を目指す。
タオ氏は、タビナカ市場の予約トレンドにも言及。コロナ前には2割程度だったタビナカのオンライン予約は、「今後5年で5~6割に達するだろう」とみる。若者世代が牽引するモノ消費からコト消費への移行も、観光回復とともに加速し、タビナカ市場はさらに活況になると見込んでいる。