岸田文雄総理は2023年5月30日、観光立国推進閣僚会議の第20回会合を開催し、「新時代のインバウンド拡大アクションプラン」を決定した。
これまでの「外国人を呼び込む」という観点からさらに視野を広げ、「インバウンド需要をより大きく効果的に根付かせる」ための方策を取りまとめた。「ビジネス」「教育・研究」「文化芸術・スポーツ・自然」の3分野を柱に、観光庁をはじめ、関係省庁との連携を含めた約80の施策によって、国際的な人的交流を伴う取り組みの進化と掘り起こしを図り、インバウンドの着実な拡大を図るとしている。
ビジネス分野では、2025年にビジネス目的での訪日外国人消費額を8600億円、国際会議のアジア最大の開催国を目指すのに加え、2030年にアジアNo.1の国際会議国としての不動の地位を築き、世界5位以内になるとの目標を掲げた。具体的には、投資拡大によるビジネス交流の促進、国際金融センターとしての日本の地位向上、医療インバウンドの拡大、ビジネスマッチング、MICEの積極的な誘致、産業資源の活用などに取り組む。
教育・研究分野については、コロナ禍で日本の研究が内向きになっているとの指摘を受け、海外の研究拠点の呼び込み、国際学会の積極的な開催・誘致を図る。グローバル・スタートアップ・キャンパス構想の推進、留学生などの積極的な受け入れを図り、2025年までの海外からの研究者受け入れ数1万6000人、科学技術・自然・医療・社会分野などに関する国際会議の外国人参加者数18万6000人の達成を目指す。
文化芸術・スポーツ・自然分野の目標としては、2025年までに世界のアート市場における日本の売上額シェア7位への引き上げ、スポーツ目的の訪日外国人旅行者数270万人を掲げた。メディア芸術をはじめとする海外向けコンテンツビジネスの育成・発展、スポーツツーリズムの促進、ナイトタイム・コンテンツの拡充、自然や文化・歴史資源を活用した少数限定の宿泊体験・体験型コンテンツの開発などに取り組む。
具体的な計画や方針は、以下で確認できる。
新時代のインバウンド拡大アクションプラン(PDFファイル、23ページ)