フランス観光開発機構(アトゥ・フランス)は、ディジョン~リヨン~マルセイユを結ぶ広域の観光エリア「ヴァレ・ド・ラ・ガストロノミー(美食の渓谷)」を日本市場向けに発表した。ブルゴーニュ、オーヴェルニュ・ローヌ・アルプ、プロヴァンスの三地方が協業し、フランス政府の協力を得て誕生したもの。欧州、米国に続いて発表されたのが日本で、アジアでは初めての展開となる。
同エリアは、ソーヌ川とローヌ川の流域623キロ、面積7万5591平方キロにおよぶ。高速鉄道(TGV)、4つの空港(パリ、リヨン、ジュネーブ、マルセイユ)による交通の便にも恵まれ、リヨンやディジョンなど世界の食通が集まる都市が点在している。星付きのレストランやホテルが高密度に集まる地域でもあり、旧来からバカンスルートとしても人気が高い。
域内の主要エリアのひとつオーヴェルニュ・ローヌ・アルプ地方観光局の国際部長クリスチャン・ドュシュマン氏は、発表の記者会見で「マスツーリズムは対象としていない」と話し、訪問者数は重視していない点を強調。「価値のわかる人に伝えたい。日本人旅行者にあう素材であると確信している」と自信を見せた。
ヴァレ・ド・ラ・ガストロノミーを構成するのは、特色ある各地の食文化に触れる観光素材。現在ある462の素材は、質の高い観光資源としての認証を受け、ジャーナリストや観光の専門家や著名人からなる特別委員会により選定され認可された。
認証制度は3年ごとに見直しや更新が行われる。2つのカテゴリがあり、現地に存在するテロワールの文化的・景観的・歴史的多様性を伝える旅行素材であること、または参加型アクティビティで、職人たちと特別な時間を体験するプログラムであることが条件となる。現在のところ、旅行素材は433、体験プログラムは29が認証されている。