エア・タヒチ・ヌイ、来年の成田線を再び運休へ、観光局の主要戦略はサステナビリティ

今年、日本就航25周年を迎えるエア・タヒチ・ヌイは、パペーテ/成田線について2024年5月8日~10月26日まで再び運休する。同航空は、新型コロナの影響で2020年3月から運休していたが、2023年10月30日から週2便で運航を再開したばかり。同航空の保有機材はボーイング787-9型4機のみのため、需要の高い路線への振り分けを優先する。

直行便再開を受けた旅行会社向けワークショップのために来日したタヒチ観光局CEOのジャン-マーク・モスラン氏は、その理由について、欧米市場の需要がさらに高くなることが予想されることをあげたほか、主要ホテルのリノベーションが続いており、客室供給が減少することを挙げた。また、「日本のアウトバウンド市場は依然としてコロナ前の4~5割程度の回復にとどまっていることも勘案した結果」と付け加えた。

また、フランス領ポリネシア大統領の観光・国際航空運送部門テクニカル・アドバイザーのギリアム・コロンバニ氏は、エア・タヒチ・ヌイはフランス領ポリネシアの航空会社でありながら、フランス政府からのコロナ対策としての財政支援がなかったことから「経営に非常に神経を使っている」と明かした。

運休期間中の2024年7月にはタヒチはパリ五輪のサーフィン競技が行われるが、会場のスペースなどから観客の受け入れがそもそも限定的になるため、モスラン氏は「(運休でも)日本からの需要に大きな影響は出ないのではないか」との見通しを示した。

タヒチ観光局では、運休中も日本市場でのプロモーションは継続していく方針だ。

日本市場に向けて「早めの予約を」

2023年のタヒチへのインバウンド客数は、およそ22万5000人の見通しで、コロナ前2019年の約23万6000人に迫る勢いで回復している。2022年比では28%増で、全ての市場で前年を上回る予想。コロナ前、日本は、米国、フランスに次ぐ第3位の市場だったが、2023年1月~9月の実績は389人で、前年比では約2.7倍に増加しているものの、依然としてコロナ前には程遠い。

モスラン氏は、日本市場について、「以前はハネムーンやウェディングの需要が中心だったが、現在ではダイビング、ハイキング、クルーズなど客層は多様化している」と説明した。日本人旅行者の平均滞在期間は7日で、全市場の16日よりも短いが、2018年の1人当たりの現地消費額は2425ドル(約36万円)で全体平均の2650ドル(約40万円)をわずかに下回る程度となっており、滞在日数が短い割には消費額が高い傾向が出ている。

一方で、モスラン氏は課題もあげる。その一つが、日本市場での予約リードタイムの短さだ。欧米市場では、出発日の平均3ヶ月前から予約が入るが、日本は約45日前と短いという。モスラン氏は「ホテルの確保が難しく、価格も高くなるため、日本の旅行会社には、早めの予約を勧めていきたい」と話した。

(左から)観光・国際航空運送部門テクニカル・アドバイザーのコロンバニ氏、タヒチ観光局CEOのモスラン氏、アカウントディレクターのスティーヴン・コックス氏

スロートラベルの先駆的デスティネーションに

タヒチ観光局の施策の中心となるがサステナビリティ。モスラン氏は、観光戦略を進めていくうえで、「サステナブル・マネージメント」「環境」「文化」「社会経済性」の4本柱に注力していると説明。また、コロンバニ氏は「住民への調査結果を戦略に反映させている」と話す。

大量の観光客が一度に押し寄せるクルーズについても規制。人気のボラボラ島では1日当たりのクルーズ船観光客数の上限を1200人に設定し、乗客数3500人を超える大型クルーズ船の寄港を禁止。また、小型クルーズ船やレジデンス・クルーズへの税制優遇なども実施し、大型クルーズ船のの寄港に制限をかけているという。そのため、タヒチの島々に入港するクルーズ船の90%が500人以下の船になっている。

タヒチの人口は約28万人。年間観光客数は約26万人。モスラン氏は「この数字を維持していきたい。量よりも質の高い旅行者を誘致し、スロートラベルの先駆的なデスティネーションにしていく」と今後の方針を示した。

※ドル円換算は1ドル150円でトラベルボイス編集部が算出

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