訪日旅行者が「よくいる」お店の特徴は? -自社サイトやWi‐Fi整備が集客のカギに

日本政策金融公庫総合研究所が小売業、宿泊業、飲食店、旅客運送業を対象に実施した調査で、お客の中に外国人観光客が「よくいる」と認識する企業の70.3%が自社のホームページを開設していることが判明した。「いない」と回答した企業の自社サイト開設率は42.5%で、約30ポイントの違いがあった。

また、クレジットカードの加盟状況も集客に大きく影響している。外国人旅行者が「よくいる」企業の68.9%がクレジットカードに「加盟している」と回答しており、外国人旅行者が「いない」企業より20ポイントの違いが明らかになった。

日本政策金融公庫総合研究所の資料より

さらに、お客が利用できるWi-Fi(無線LAN)アクセスポイントの有無でみると、「よくいる」企業の51.8%が、Wi-Fiアクセスポイントがあり、「ない」企業よりも35ポイント多い結果となった。訪日客の誘客に、ネット環境整備が有効なことを改めて示した数値だ。

 

▼訪日旅行者の来店が業績にも影響、「よくいる」企業の4割が売上増加

最近3年間の業績をみると、売上高では「よくいる」企業のうち「増加傾向」との回答は39.5%だが、「たまにいる」は22.4%、「いない」は19.0%。また、利益ベースでは「よくいる」企業の37.0%が黒字。赤字は23.5%で、「いない」の33.1%より約10ポイント低く、訪日客の利用が多い企業の方が好結果となっている割合が高い。

なお、お客の中に外国人観光客が「よくいる」と認識している企業は4.6%、「たまにいる」は47.8%で、半数以上の企業が訪日客を受入れている。特に宿泊業、旅客運送業で外国人観光客の利用が多い。また、1か月当たりの外国人観光客数は平均41.6人。「よくいる」企業は平均243.2人、「たまにいる」企業は10.1人だった。

同調査は日本政策金融公庫国民生活事業および中小企業事業の融資先のうち、2012年の観光・レジャーを目的とする外国人の訪問率の高い上位20都道府県(沖縄除く)にある対象4業種に実施したもの。改修数は2643社で、小売業が68.9%、飲食店が27.2%、宿泊業が2.2%、旅客運送業が1.7%だった。

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