観光庁はこのほど、海外5か国(中国、台湾、香港、韓国、米国)を対象に、日本の旅行受け入れ環境に関するSNS投稿分析をおこなった。
それによると、旅行全般に関する話題を含む「その他」以外で最も多く話題に挙がった内容は「公共交通」関連。次いで「通信環境」、「多言語表示・コミュニケーション」、「宿泊」と続いた。公共交通に関する76万5999件の投稿のうち、3.7%を占める2万8156件が不満を伝えるネガティブな内容だったという。
公共交通に関するネガティブな投稿では、例えば「日本の交通費が高い話は聞いたことがありますが、こんなに高いと思わなかった」「タクシー2キロで1000円は高い」など、料金が高いことに言及するものが半数近くに。併せて「交通費が高いので、周遊パスを利用した方が良い」「PASMO/Suicaは関西でも使えますよ」など、周遊パスや交通系ICカードの利便性に言及する投稿も見られたという。
そのほか、「鉄道の仕組みはすばらしいが、迷わずに乗車するのは難しい」「乗換アプリは入力方法がよくわからない」「同じような駅名の駅がたくさんあって、初めての旅行者は混乱する」など、移動中の混乱に関する内容も多数見られたとしている。
一方、通信環境に関してネガティブな投稿では、「韓国とは違い、Wi-Fi環境が良くない。見つけることも難しいし、 Wi-Fiエリアも非常に狭い」「日本の伝統的なホテルなのでWi-Fiがなかった」といったWi-Fiスポットに関するものが多数確認された。また、「空港のSIMカードは値段が高く、通信容量も少ないので諦めた」「ローミングをすると、一日約1,000円もスマホ使用料金がかかってしまう」といった、サービス料金に関する不満も散見された。
そのほか、多言語・コミュニケーションに関しては、「日本人は英語が苦手ですから、英語が喋れる人でも翻訳系のアプリをダウンロードした方がよい(中国)」「駅名が非常に長い音節から構成されるので難しい(米国)」「日本の地図は電車と地下鉄の路線図を強調していて見づらい(韓国)」といった不満が見られたとしている。
観光庁では今回の調査結果から課題を抽出し、受け入れ環境の整備につなげる考え。
この調査は、夏期(2016年7月1日~8月31日)と冬期(2017年1月1日~2月28日)に実施されたもの。分析対象データは、各国の主要SNSやQAサイトを通じて各サービスの規約を順守しつつ入手した。