急拡大の秘訣は「独自路線」、宿泊予約サービスReluxのビジョンと成長戦略 -Reluxカンファレンス2018(PR)

宿泊予約サービス「Relux」を運営するロコ・パートナーズが2018年1月22日、宿泊施設向けに「Reluxカンファレンス2018」を開催した。同社は満足度の高い宿泊施設を厳選して掲載する予約サービスとして独自路線を歩み、今年でサービス開始から5年目。2017年3月にはKDDIグループにジョインするなど、そのコンセプトと事業成長で注目を集めている。カンファレンスで発表された、同サイトの現状と今後の方針をまとめた。

代表取締役社長の篠塚孝哉氏によれば、Reluxの現状について、2017年4月にはReluxでの掲載施設は1000軒を超え、同10月に会員数が100万人を突破。特に、会員数は2013年3月のサイト開設時から50万人になるまで3年半を費やしたが、50万人から100万人へ到達するまでの期間は1年間と、成長スピードが加速していることを明かし、「OTAとしての市民権をようやく得られたのでは」と手ごたえを語る。

代表取締役社長の篠塚孝哉氏

さらに、篠塚氏は今後のReluxの方向性として、「宿泊施設と強いパートナーシップを構築し、同じ立場で宿泊客の満足度を上げていく」との方針を発表。従来の旅行会社には、宿泊施設と宿泊客と旅行会社の3者がWin-Win-Winとなる関係性を目指す考えが多いが、同社では「私たちは宿泊施設と同じ立場の者として、カスタマーにサービス提供をする」と、強固なパートナーシップによって顧客満足を目指すスタンスを強調した。全国でも名だたる宿泊施設のトップリーダーを前にし、パートナーである宿泊施設ではなく、カスタマーに振り切ってサービス向上を目指すという発言は異例とも言える。

その背景には、この1、2年、篠塚氏がOTAとしての方向性を模索するために、「宿のあるべき姿」を学ぶべく、営業責任者であり取締役営業部長の塩川一樹氏とともに、全国各地の宿泊施設に自ら足を運んできた体験がある。そこで、宿主が時に涙を見せながら語る宿やカスタマーに対する思いに触れ、「満足度の高い施設ほど結局のところ旅行者目線であり、彼らもまた旅行代理店を向いて仕事をしているわけではない」と実感したことが、この方向性を決定づけたという。「宿のあるべき姿」を追い求めたからこそ、宿泊施設と同じ目線で物事を捉え、得られた答えと言えるだろう。

篠塚氏は「予約のボリュームが増えると社内でもKPIや売上など数字の話に終始しがちだが、その裏には1つ1つの旅行がある」と語り、宿泊施設と宿泊客の思いを大切にするOTAとして突き進んでいくことを強調した。

Reluxが目指す宿泊予約サービスの位置付け。価格ではなく宿泊客の満足度にこだわるので、今後は民宿なども対象施設として掲載を増やす意向も

高い予約単価で推移、営業体制も拡充へ

営業部長の塩川氏はこの5年間、新興OTAとして掲載スピードを重視するのではなく、一軒一軒を訪れ、宿泊施設との強い結びつきのもとに1000軒超まで拡大してきたことを説明。ここ数ヶ月では、コンセプチュアルな宿や町家など個性豊かな宿泊施設の掲載が急激に増えているという。

掲載施設の実績にもReluxらしさが出ているとして、予約単価の状況を説明。サイト全体では7万円前後で推移しており、特に2名利用の多い旅館は8万円前後と高額。「Reluxを象徴する実績」だという。

また、シティホテルやビジネスホテルでも2名利用が多く、予約が急激に増えている。これまで高級旅館にフォーカスを当てていたが、次第にカスタマーの出張や普段使いなど多面的なニーズを捉えられる品揃えになっており、「総合型の予約サイトでは出会えないようなマッチングができている」とアピールする。

価格帯にこだわりはないが、宿泊単価は全体的に高め

今後も営業体制の強化に努め、宿泊施設は2000軒へ、営業スタッフは現行の20名から30名へ拡大を図る。さらに、拠点は現在の東京と沖縄に加え、主要都市でも展開する方針だ。塩川氏は「掲載施設のバラエティを増やせば、さらにお客様を呼べるサービスになる。営業体制を強化し、宿泊施設にはサービスを磨き上げていただくことで、実績としてお返ししたい」と語り、掲載施設の質・量の両面の課題に取り組んでいくことを語った。

取締役 営業部長の塩川一樹氏

サイト集客は需要創出型、予約拡充へ新機能、民泊なども開始

一方、マーケティングでは、旅行の顕在需要を取りに行くのではなく、旅行予約から遠い客層に対して宿泊施設の魅力が伝わるような写真を用い、思わず旅行に行きたくなるような「需要創造型」の施策で集客を図るのがReluxの特徴。その手段として、SNSや動画を活用し、オンラインやオフラインで広告を展開している。例えば、SNSではFacebookは100万、Instagramは9.2万と、OTAのなかで圧倒的な数にリーチしていることアピールした。

さらに、インバウンドの会員も急増。100万人の会員のうち2割が外国人で、特に近年の伸びが顕著だ。これは、東アジアを中心に各国の旅行事業者や金融・通信事業者とアライアンスを組んで取り組んだ結果だという。

上の図の「Upper Funnel」に働きかけるマーケティングが特徴

このほか、サイトやサービスの使い勝手の改善も実施。宿泊施設向け管理画面では、デザインやデータ分析・販促支援のなど機能のアップグレードを行なう。増加しているインバウンド対応では、各国の通貨決済やニーズが高まっている複数部屋予約機能にも対応する。

また、1月23日には新しい施設種別「Vacation Home」として民泊も追加した。民泊ではまず古民家や貸別荘など旅館業法の簡易宿所を取得する施設から取り扱い、2018年6月の住宅宿泊事業法施行後には、同法対象の民泊施設も掲載。ユーザーに対して、新しい体験を紹介していく。

執行役員プロダクト統括部長の宮下俊氏は、「今年度は、OTAとして当たり前のレベルアップに、Reluxならではの価値を乗せる」と述べ、宿泊施設と消費者とのさらなる繋がりの創出に努めることを強調した。

執行役員 プロダクト統括部長の宮下俊氏

テクノロジーで体験が上質化、宿泊施設のチャンスを提案

Reluxカンファレンスは、宿泊施設のトップリーダーに対し、学びと交流の場を提供する目的で開催している。今回、篠塚氏は自身のセッションで、世界で起こっている変化を解説するとともに、今後のトレンド展望と宿泊施設のチャンスについて見解を語った。

篠塚氏がポイントにあげたのは、技術革新による世の中の変化。仮想通貨やAI、AR/VR、宇宙、再生医療など、近年は難解かつ抽象度の高いテクノロジーが増えてきているが、篠塚氏は「内容は理解しなくても、それによって世界がどの方向に向かうかを理解しておけばよい」とアドバイス。

篠塚氏によると、AIの進化で人の思考機会が減り、データの高速化、クラウド化などによりデータ品質が向上。医療分野では早期発見や再生医療の発展で人生100年時代となり、欧米的な働き方改革もさらに進む。こうした世間の流れを踏まえ「これらの革新によって、人々の可処分時間が大幅に増える」と展望。その結果、「体験への回帰と上質化が進む」という。

それは何か。具体的に提示したのが、社会現象にもなっているハロウィンイベントや、興行収入が伸びているコンサート、豪華キャンプのグランピング、テクノロジーで可能になった民泊やライドシェア、そしてサウナなどだ。篠塚氏は「実は、これらの体験自体は昔からあるものがほとんど。時間ができたり、テクノロジーが進化したりして、それぞれが半歩先に上質化しているだけである」と解説。この現象を「体験への回帰と上質化」とし、「ありふれた体験が半歩先に進み上質化し、トレンドになり、それが今年、来年にもっと出てくる」と展望する。また、中でもサウナが今年は全国的に流行るだろうと予見した。

その時、宿は何ができるのか。篠塚氏は「宿はその全ての中心地になれる」と提言。1泊2日の長い時間を過ごす宿泊施設だからこそ、様々な半歩先の上質な体験を作れるとし、参加者に対して「宿泊施設と同じ立場で、一緒に未来を作っていきたい」と呼びかけた。

広告 ロコ・パートナーズ(https://rlx.jp


記事 トラベルボイス企画部

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