JALグループが発表した2020年3月期第3四半期連結業績(2019年4月1日~12月31日)は、売上高が前年とほぼ同じ1兆1308億円、営業利益が前年比17.4%減の1201億円、経常利益が同12.1%減の1218億円、四半期純利益は同28.4%減の763億円と減益となった。
国際旅客は世界経済の動向を受けて減収となったものの、国内旅客は改元に伴うゴールデンウィークの10連休などで堅調に推移。国際貨物需要は、米中貿易摩擦の影響もあり、低調に推移した。
国際線:国際旅客収入は2.8%減の3921億円、韓国と香港で需要減
国際旅客では、香港線・韓国線で政情不安や日韓関係の悪化による需要減も見られた一方、欧州線・豪州線などでは、ラグビーワールドカップの開催に伴い、観戦を目的とする訪日需要が増加した。その結果、有償旅客数は同1.5%減となり、国際旅客収入は同2.8%減の3921億円。有効座席キロは同1.4%増、有償旅客キロは同0.4%増で、座席利用率は81.0%だった。
なお、JALは2020年3月29日に羽田空港から11の都市(シカゴ、ダラス、ロサンゼルス、ニューヨーク、ホノルル、ヘルシンキ、モスクワ、シドニー、デリー、上海、大連)への新規開設・増便を実施する。
国内線:ビジネス・レジャーとも堅調で増収、高需要期の増便で需要に対応
国内線旅客では、観光とビジネス双方の需要が堅調に推移。高い競争力を持つ商品サービスに加え、ゴールデンウィークや夏季休暇期間などの高需要が見込まれる期間羽田/沖縄線や羽田/札幌線の増便などを行い、需要に対応した。その結果、有償旅客数は同2.6%増となり、旅客収入も同2.7%増の4154億円に増加。有効座席キロは同1.6%増、有償旅客キロは同3.2%増となり、座席利用率は74.1%となった。
通期連結業績予想を再度下方修正
なお、JALは、国際旅客需要および国際貨物需要が想定を下回る見込みであることから、通期連結業績予想を下方修正。売上高を2019年10月31日発表の1兆5160億円から1兆4860億円に、営業利益を1700億円から1400億円に、経常利益を1710億円から1450億円に、当期純利益を1140億円から930億円にそれぞれ修正した。