オーストラリアの複数メディア報道によると、同国連邦政府のサイモン・バーミンガム観光大臣はこのほど、海外への渡航制限が解除できる時期の見通しは立っておらず、今年のクリスマス休暇までかかる可能性もあるとの見方を明らかにした。
オーストラリアは欧米各国と比べ、感染拡大を比較的、抑え込むのに成功している。しかし渡航制限はこれまでも、今後も「防疫の要」であり、引き続き重要であると指摘。国民に対して、コロナ危機が続いている間は、新規の海外旅行を予約することは控えるのが賢明だと促した。
2020年4月13日、ABCニュースの朝の情報番組に出演したバーミンガム大臣は、「12月というとかなり先ではあるが、その頃には再び海外旅行できるようになっていると保証はできない。現段階では、どうなっているのか予測するのは非常に難しい」とコメントした。
また、別の現地メディアによるインタビューで、同大臣は海外旅行について「リスクが高い活動」であり、「(危機が去った後も)通常通りに再開できるようになるのは最後になる」と発言。さらにクルーズについては、2021年以降であっても注意が必要だとの考えを示した。一方、国内旅行については、海外への渡航よりはリスクが低く、再開できるようになる時期は早くなるだろうと話し、昨年の山火事発生の後、需要減に苦しむ国内の観光産業をサポートする観点からも、まずは豪州国内各地への旅行を考えてほしいと話した。
シドニー・モーニングヘラルド紙によると、豪州ツーリズム・エクスポート・カウンシルのピーター・シェリー事務局長も海外旅行について「今年の第4四半期から再開できるというのは、かなり楽観的な見方だろう。実際には、おそらく今年末から来年初め頃からになるのではないか」とコメントしている。
豪州では現在、国内でも厳しい移動制限をしいている。ニューサウスウェールズ州とクイーンズランド州の境界は閉鎖中で、医療関係者など許可を得ている人以外は、州をまたいでの移動は不可。同様に、タスマニア、南オーストラリア、西オーストラリアの各州およびノーザンテリトリーでも、他地域からの不要不急の訪問を認めていない。