日本観光振興協会(JTTA)と日本旅行業協会(JATA)は、「インバウンド旅行客受入再開にむけた意識調査」を実施し、その報告書をとりまとめた。この調査は、宿泊事業者、飲食事業者、輸送事業者、観光施設などに対して行ったもので、回答数は460人。
それによると、インバウンド観光客受入再開にあたって、重要だと思われる施策について、最も多かったのが「ワクチンの開発あるいは予防接種の開発」で74.9%。「国として訪日客受入の指針が明確であること」が71.7%と続いた。
また、再開希望時期では、「2021年4月以降」が最も多く32.3%。次いで「2021年3月までには」(27.9%)、「2020年内」(17.4%)の順となった。受入再開を想定する地域で最も多かったのが台湾で72%。そのほか、香港、中国、タイ、オーストラリアが50%台となった。
受入を希望する旅行スタイルについては、「個人レジャーの旅程管理型旅行」と「団体レジャーの旅程管理型旅行」の順で優先順位が高い結果になった。
一方、受入再開を希望しない事業者に対して、その障害を聞いたところ、「事業者向けの補償体制が不十分」(92%)や「非接触コミュニケーションツールの導入が不十分」(92%)などで多くの回答が寄せられた。
このほか、すでに実施している感染対策としては、「従業員の感染リスク低減策の策定」「ソーシャルディスタンスの確保」の回答が6割以上を占めたほか、アルコール消毒やマスク着用、利用者の検温も上位にあがるなど、基本的な感染予防については対策が進んでいる現状が見られた。