グローバル市場調査会社ユーロモニター・インターナショナルは、2020年の「持続可能な観光トップ国」ランキングを発表した。この調査は、「サステナブル・トラベル・インデックス」7項目(環境的持続性、社会的持続性、経済的持続性、カントリーリスク、持続可能な観光需要、持続可能な交通および宿泊施設)に基づいて、世界99カ国を対象に実施されたもの。
それによると、1位はスウェーデンで、続いてフィンランド、オーストリア、エストニア、ノルウェーがトップ5となり、上位はスカンジナビア諸国をはじめ欧州の国が独占した。スカンジナビアでは、全体の65%の旅行事業者がすでにサステナブル戦略を実行していると回答。全体では50%で、小売業の70%よりも低くなっている。
1位のスウェーデンは、調査指標7項目の多くでトップとなった。スウェーデン政府は持続可能な開発目標(SDGs)17項目を達成するために必要な枠組みを策定。特に、気候変動、北極圏での生態系保護、脱炭素の循環型経済を進めている。サステナブルツーリズムでは、主要都市内の地域観光を重視。「飛び恥」ムーブメントに見られるように、効率的な交通インフラや航空以外の移動手段を追求しているほか、宿泊施設では環境に優しい建築デザインで数々のロールモデルを生み出している。
一方、アジア諸国の順位は低く、最上位はラオスの51位。日本は53位、台湾が55位、中国が56位にとどまった。
また、モザンビークは全体では68位だが、環境的持続性指標では、観光における国立公園の保全や生態系保護が高く評価され、1位となった。
経済的持続性指標の1位は香港。全体では77位と低いものの、2020年6月に香港政府観光局が展開したデジタルプラットフォーム「Hello Hong Kong」キャンペーンなどが評価された。日本は、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言後に、GoToトラベルで国内旅行者が増加したことから、最も改善した国のなかで20位となった。
このほか、持続可能な交通指標はオーストリア、持続可能な宿泊施設指標はリトアニアがそれぞれ1位となった。
総合トップ20は以下の通り。
- スウェーデン
- フィンランド
- オーストリア
- エストニア
- ノルウェー
- スロバキア
- アイスランド
- ラトビア
- フランス
- スロベニア
- スイス
- リトアニア
- クロアチア
- チェコ
- アイルランド
- ドイツ
- ベルギー
- デンマーク
- オランダ
- ポルトガル