ハワイ州観光局、5月に日本から視察団派遣へ、管理型パッケージ実施で日本人観光客の復活に期待

ハワイ州観光局(HTJ)が開催した「第1回ハワイ・ツーリズム・フォーラム」で、ハワイ大学疫学専門家の岡田悠偉人氏は、ハワイでの新型コロナウイルスの感染状況について、「2021年7月での収束が現実的になってきた」との見通しを示し、ハワイへの日本人旅行の早期回復に期待感を表した。

HTJは、日本の旅行業界との協力で2021年5月頃から視察団の派遣を行う方針。今夏からの管理型パッケージの実施に向けて準備を進めているところだ。

ハワイでは、現在までのところ接種対象人口の25%にワクチン接種が完了し、第3フェーズの65歳以上と持病を持つ人の接種が始まっているという。そのことから、岡田氏は「2021年7月には集団免疫が獲得でき、医療資源も安定することから、感染の収束が見えてきた」と話し、マスク着用のない日常が今夏にも戻る可能性に言及した。

現在、日本からハワイへの渡航については、渡航前72時間以内にPCR検査を受け、陰性であれば、ハワイ到着後の自己隔離が免除される「事前検査プログラム」を実施しており、検査指定医療機関として日本では84ヶ所が指定されている。

岡田氏は、「今夏に向けて、指定医療機関をさらに増やしていき、より安価な検査を提供していくべき」との考えを示し、ワクチン接種の状況に応じて、PCR検査だけでなく、より簡素な抗原検査や抗体検査の導入も検討していく必要性に触れた。さらに、ハワイでは現在「ワクチンパスポート」の議論も進めていることを明かした。

また、ハワイと日本の往来での一番の壁は日本入国後の14日間の自己隔離と指摘。入国後の交通機関の利用制限も含めて、「もっと科学的エビデンスに基づいて考えるべき」として、日本の対応に疑問を投げかけた。

基調講演でハワイの現状を説明する岡田氏

航空4社、需要回復に向けて旅の機運を醸成

このほか、フォーラムではハワイ路線を持つ航空4社がそれぞれの感染対策を説明したほか、ポストコロナの需要回復に向けた取り組みを紹介した。

ANAは、SNSでの協賛選手の搭乗体験の発信、A380の遊覧飛行、ハワイバーチャルツアーなどの取り組みを紹介。同社マーケティング室宣伝部部長の江島まゆみ氏は「調査から、旅へのあきらめ層やためらい層が多いことが分かった。こうした層が持つ(ハワイへの)憧れに働きかけていく」と話し、将来の需要回復に向けて機運を高めていく考えを示した。

JALは、昨年中止となったホノルルマラソンについて、2021年12月に開催に向けて調整を進めていることを明かした。同社宣伝部グループ長の小林洋介氏は「今年のホノルルマラソンをハワイ旅行復活の象徴としていきたい」と話した。

ハワイアン航空日本支社長の宍戸隆哉氏は「コロナ禍では人とのつながりや家族の大切を痛感した。大切な人と普段体験できないことをサービスに落とし込んでいく」と話したほか、需要回復に向けては、オアフ島以外の隣島の魅力を発信していく考えを明らかにした。

ZIP AIR Tokyoは、機内無料インターネットを紹介。旅客個人の端末でパートナー企業や旅行業界と協力しながら、レスポンシブルツーリズムのオプショナルツアーなどハワイでの新しい過ごし方を機内で提案していく。同航空は2020年12月に成田/ホノルル線に就航。2021年1月末から一時運航を停止しているが、同社企画マーケティング部部長の長谷川文彦氏は「日本、ハワイでの感染状況が落ち着き次第、必ず運航を再開する」と強調した。

HTJによると、日本からの航空座席は4月で16便3516席、5月で17便3702席の見込み。HTJ日本支局長のミツエ・ヴァーレイ氏は「今夏までは厳しい状況が続くが、その期間にリカバリーに向けた準備を進めていく」と話したうえで、自然保全、文化継承、コミュニティーリレーション、ブランドマーケティングを4本柱として、レスポンシブルツーリズムの啓蒙と訴求を強めていく方針を示した。

なお、HTJでは、2021年4月21日に「SDGsとハワイ州」、5月19日に「教育旅行」をテーマにハワイ・ツーリズム・フォーラムを開催する。

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