視聴行動分析サービスを提供するニールセン デジタルが先ごろ発表したZ世代(現在およそ18~24歳)とミレニアル世代(同25~39歳)のメディア消費状況によると、Z世代は、より動画とソーシャルネットワークへの関与が強い世代間の差違がみられた。スマートフォン視聴率情報「ニールセン モバイル ネットビュー(Nielsen Mobile NetView) 」のデータと、消費者のマルチスクリーンの利用動向調査「ニールセン デジタル・コンシューマー・データベース2020 (Nielsen Digital Consumer Database 2020)」をまとめたもの。
デジタルテクノロジーを使いこなしているZ世代とミレニアル世代。ともにスマートフォンは最も重要なデバイスだが、サービスの利用状況は世代間で異なる。スマートフォン利用時間全体のうち、「ビデオ・映画」はミレニアル世代の15%に対し、Z世代は20%、「メンバーポータル・コミュニティ、SNS」はミレニアル世代15%に対し、Z世代24%と、いずれもZ世代が上回った。
デジタルサービスの利用状況の違いは時間だけではない。TwitterやInstagramといったソーシャルメディアに囲まれて育ってきたZ世代は、ミレニアル世代の約2倍の37%の人がソーシャルメディア上で積極的に投稿している。
このようなZ世代とコミュニケーションを効果的に取る方法として、同社は「彼らが注目するコンテンツや話題に適合する広告クリエイティブを製作したり、彼らが意識するような等身大に近いマイクロインフルエンサーを活用したりすることで、より多くの共感を生むことができる」と指摘する。
Z世代は情報処理の仕方も異なるようだ。テレビを視聴しながらスマホを同時利用する“ながら利用”はどちらの世代も行っているが、Z世代はよりソーシャルメディアと動画コンテンツに対するエンゲージメントが強い。
実際、ミレニアル世代がテレビと同時視聴するコンテンツはソーシャルメディアが45%、投稿動画が16%だったのに対し、Z世代はソーシャルメディアが68%、投稿動画が23%に上った。同社では、「Z世代は購買力もそれほど高くはない世代だが、今後彼らが社会人となり生活環境が変わってくると、メディア消費行動も変化する可能性がある。マーケティング戦略を常にアップデートして、コミュニケーションを設計していく必要がある」と分析している。
発表のもととなった、「ニールセン モバイル ネットビュー」は日本全国8000名の調査協力モニターから取得するアクセスログ情報を元に作成。また、「ニールセン デジタル・コンシューマー・データベース2020」は2020年9月18、19日にインターネット上で、月1回以上インターネットを利用している日本全国15歳以上の男女、計2987人を対象に実施した。