世界経済フォーラムは、旅行観光分野の国別競争力を示す2021年版「Travel & Tourism Development Index (TTDI)」を発表した。今回のTTDIは、依然として新型コロナによる影響が大きく残る旅行観光分野における持続可能性や回復力を示すもの。グローバル市場で調査を行っているユーロモニター社が実施した。
それによると、TTDIスコアの平均は2019年から2021年の間にわずか0.1%増加。対象となる117カ国のうち39カ国が1.0%以上改善し、51カ国は1.0%の範囲内で増減、27カ国は1.0%以上減少した。
スコアの上位10か国は、米国を除き、ヨーロッパとユーラシアまたはアジア太平洋地域の高所得国。トップは日本となった。オーストラリアとシンガポールはそれぞれ7位と9位にランクイン。イタリアは2019年の12位から2021年にトップ10入りした。
上昇率トップは、4.7%増のベトナムで60位から52位に上昇。3.4%増のインドネシアは44位から32位、2.3%増のサウジアラビアは43位から33位にアップした。
世界経済フォーラムでは、旅行観光分野は経済成長に大きく貢献していることから、開発と回復力を支援し、雇用の維持・増加を進めることが重要になると指摘。また、デジタル社会のなかで需要が変化していることから、柔軟にその需要に適応していくことが必要とし、そのうえでビジネス機会とリスクを考えて、持続可能で回復力の強い産業に向けた開発と投資を展開していく重要性を強調している。