沖縄県西表島で入域数を1日1200名に制限、「観光管理計画」を策定、訪問税の導入や自動車速度制限も

奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産地域連絡会議西表島部会は、2020年1月に策定された「持続可能な西表島のための来訪者管理基本計画」を改定し、西表島への観光客入域数などを定めた「西表島観光管理計画」を新たに策定した。

この計画は、2022年12月に国から認定された「西表島エコツーリズム推進全体構想」によって、法的拘束力を持つものになる。

西表島内の世界遺産地域内では、エコツーリズム推進法に基づいて立入規制を実施するほか、竹富町観光案内人条例に基づくガイド免許制度を活用していく。「全体構想」では、管理基準として、1日あたりの立入上限数をヒナイ川200人、西田川100人、古見岳30人、浦内川源流域50人、テドウ山30人と定めている。

世界遺産地域外でも、急激な観光客の増加による影響を最小限に抑えるため入域数を抑制。具体的には、年間入域観光客数を前年比1割以上増加させず、33万人を上限とする基準を設けた。1日当たりでは1200人を上限とする。2019年の入域数は29万313人。

また、観光利用に起因するヤマネコなどのロードキル(自動車事故死)対策として、道路交通法の遵守を促す取り組みや普及啓発を強化。具体的には島内の車両走行速度を時速40キロ以下に規制し、来訪者およびガイド事業者の禁止事項・行為制限を設定する。今後は、入域観光客と交通事故の関係についても分析し、より効果的な対策を検討していく。

さらに、利用者負担として「竹富町訪問税(仮)」を導入。低価格のツアーを抑制しつつ、徴収した費用をモニタリングや影響低減のためのインフラ整備の財源として活用していく。しかし、具体的な導入時期については言及していない。

加えて、グッドプラクティス選定・支援制度として「エコ認証制度(仮)」を導入し、観光負荷の少ないエシカルなツアーや環境保全活動などを実施している観光事業者や島民にインセンティブを与えることで、責任ある観光に向けた取り組みを強化していく。

このほか、モニタリング評価委員会を設置。定期的に西表島の観光管理に係るモニタリング指標の確認、評価、対策の検討を行う。

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