アドベンチャートラベルで挙がった「ガイドの英語」の課題、英語力そのものでなく、ストーリーの語りを ―日本政府観光局

日本政府観光局(JNTO)は、定例のメディア向けブリーフイングで、2023年9月に北海道で開催された「アドベンチャー・トラベル・ワールド・サミット2023(ATWS2023)」での活動報告を行なった。JNTOは、ATWS2023の会場で「Japan Lounge」を設置し、全国のDMOや旅行会社など26団体と連携し、日本全国のアドベンチャー・トラベル(AT)コンテンツの情報を発信した。

その機会を利用し、Japan Loungeおよび北海道ラウンジへの来訪者に日本のATに関するアンケートを実施。会期中3日間で、海外の旅行会社、メディア、DMOなどから計225件の回答を集めた。

それによると、日本のATで最も関心が高い体験として挙げられたのは「ハイキング&ウォーキング」で138人。このほか、「地域住民との交流」(111人)、「食」(106人)、「伝統文化体験」(105人)にも高い関心が寄せられていることがわかった。

一方、AT商品(コース)の課題として、最も多かったのは「ガイドの英語レベル」で105人。これについて、ATWS2023に参加したJNTO市場横断プロモーション部の藤内大輔部長は「語学力というよりも、エンターテイメントとして英語でストーリーを語れる人材が少なく、アクティビティで危機管理を担える人材も少ない」との見解を示した。

また、北海道内だけでなく道外7コースも組まれた「プレサミット・アドベンチャー(PSA)」と道内で実施された日帰り体験ツアー「デイ・オブ・アドベンチャー(DOA)」については、74.6%が「大変良かった」、22.2%が「良かった」と回答。コメントには「日本でこれほど多様なアクティビティを体験できることに驚いた」「かなりポテンシャルの高いデスティネーションが多い」などの意見が寄せられた一方、課題として挙げられたように「英語ガイドを増やすことが必要」との声も聞かれた。

藤内氏は「ATは、日本が得意とするコンテンツ。JNTOが進める地方誘客、消費額拡大、オーバーツーリズム対策にもつながる」と話し、JNTOとして今後も強化していく考えを示した。

ATWS2023のオープニングセレモニーは大倉山ジャンプ競技場で行われた。オーバーツーリズム対策、地域の実情に応じて対応

メディアブリーフィングでは、中山理映子理事が、先日決定された「オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた対策パッケージ」について、JNTOの取り組みも説明。観光庁が示した3本柱のうち、過度の混雑やマナー違反への対応と地方部への誘客に注力していく。

マナー啓発では、ウェブサイトやセミナーなどを通じて、「手ぶら観光」などのタビナカ情報を発信していくほか、「責任ある旅行者」としての行動を促す10の方法をサステナブルツーリズム特設ページで伝えていく。

また、これまでも取り組んできた地方部への誘客については、SNSでのコンテンツ発信などを改めて強化していく。発信では、「地方コンテンツ投稿数」の指標を設定。市場別アカウントでは、年度平均3700回の投稿、グローバルアカウントでは投稿割合の70%を目指す。

中山氏は「課題の内容は地域によっても差がある。各地域の実情に応じたきめ細かい対応をしていく」と話した。

地方誘客のカギは、東アジアからの直行便

このほか、中山氏は、地方部への誘客について、「ボリュームゾーンである東アジアからの直行便の復便がカギ」との認識を示した。2023年1月~7月の地方部での宿泊者数は、2019年同期比で韓国が68%、台湾が59%、香港が65%、中国が14%にとどまっている。

この状況を改善するために、JNTOでは航空会社や旅行会社(OTAを含む)と連携したキャンペーンを展開している。台湾では、大手旅行会社LION TRAVELと連携。9月中旬から特設ベージで台湾の航空会社を利用するツアーを紹介したところ、2週間で4200人以上が予約。特に仙台線利用の商品と福岡線利用の商品の人気が高かったという。

また、香港とタイでは、8月下旬から9月上旬にかけてPeach Aviationと連携した関空線割引セールを展開。9月中旬までは合わせて国内線の割引クーポンの提供を行なったところ、300件以上の利用があったという。このほか、タビナカ体験予約「Klook」とのキャンペーンを現在も展開している。

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