年末年始の旅行動向、総旅行人数はほぼ回復、国内の平均費用は過去最高、海外の費用は二極化 ーJTB推計

JTBは、年末年始(2023年12月23日~2024年1月3日)の旅行動向をまとめた。1泊以上の旅行に出かける人を対象にしたもので、各種経済指標、業界動向や交通機関各社の動き、宿泊施設の予約状況、各種意識調査などをもとに算出。総旅行人数は2858万人(前年比105.0%、2019年比95.0%)と推計した。 

国内は3泊4日以上が増加、テーマパークが高需要

国内旅行者数は前年比103.7%の2800万人(2019年比95%)と推計。旅行意欲は2019年並みにほぼ回復しているものの、休日の日並びはあまりよくないこと、1月6日~8日の3連休を中心に旅行をシフトさせる人が一定数いる可能性もあることから、2019年をやや下回ると予想している。

国内旅行平均費用は同110.8%の4万1000円(同128.1%)で、物価高や旅行需要の拡大、インバウンドの回復、サービス業の人手不足の影響などによる旅行関連費用の高騰から過去最高になる見込み。また、国内旅行総消費額は同114.9%の1兆1480億円(同122.6%)と推計している。

また、アンケート調査によると、国内旅行の旅行目的で最も多かったのは「家族と過ごす(35.7%)」。次いで「リラックスする、のんびりする(27.3%)」「帰省(26.3%)」となった。

旅行日数については、「1泊2日(32.3%)」が最も多いものの、前年から3.3ポイントの減少。「2泊3日(27.6%)」も1.0ポイント減少している。一方、3泊4日から6泊7日はいずれも前年より増加している。

同行者で最も多いのは「子供づれ(中学生まで)の家族旅行(24.9%)」。次いで「ひとり(19.8%)」「夫婦のみ(17.6%)」。前年比では「家族と友人・知人(9.6%)」が3.4ポイント増となった。

旅行先では「関東(24.7%)」が最も多く、「近畿(16.2%)」「東海(11.7%)」が続く。

一人当たりの旅行費用については、「2万円~3万円未満(20.4%)」が前年から1.7ポイント増加し最も多く、次いで「1万円~2万円未満(18.8%)」。4万円以上の合計は前年に比べて4.3ポイント増加している。

利用宿泊施設で最も多いのは「ホテル(47%)」で、次いで「実家・親族の家(37.0%)」「旅館(19.9%)」。

JTBの宿泊・国内企画商品の予約状況は、12月4日時点で前年比115%。東京ディズニーリゾートを含む東京、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを含む関西が特に好調だという。

海外旅行は「3泊4日」が最多、費用は二極化

海外旅行人数は前年比260.1%の58万人(2019年比70.1%)。海外旅行平均費用は同92.1%の22万2000円(同109.9%)、海外旅行総消費額は同239.6%の1288億円(同77.1%)と推計する。海外の物価高や円安、燃油サーチャージ増額などの影響もあり、アジアへの短期旅行が人気となっている一方で、ハワイに加えて欧州を訪れる人も一定程度みられ、二極化が顕著になっているという。

海外旅行の日数で最も多いのは「3泊4日(24.0%)」で、「8泊以上(17.3%)」「4泊5日(13.3%)」「5泊6日(12.7%)」が続く。2019年同期と比べると、3泊4日以下の合計は1.9ポイント増加している。

旅行費用については、「20万円~30万円未満(15.3%)」が最も多く、次いで「40万円以上(14.7%)」「4万円~5万円未満(12.7%)」。2019年同期と比較すると、5万円未満の合計は10.99ポイント増加、また20万円以上の合計も7.3ポイント増加している。

JTBの海外企画商品の12月4日時点の予約状況は前年比640%という。

このほか、今後の海外旅行に対しての意向についても調査。「すぐに行きたい」という回答は「ハワイ(14.3%)」が最も多く、次いで「欧州(12.7%)」となった。否定的な意見としては、「治安や健康面(様々な感染症など)の問題がなければ行きたい(18.4%)」や「円安や物価高の影響があり、行きたくても行けない(17.0%)」が聞かれた。

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