エクスペディアCEOが来日、訪日需要は55%増、「まだ知られていない日本にもフォーカス」、日本市場向けに新キャンペーンも

オンライン旅行世界大手エクスペディア(Expedia.com)は、日本でのサービス開始18周年を迎えるにあたって、ブランドを刷新するとともに新たなマーケティングキャンペーンを展開する。

発表に合わせて来日したエクスペディア・グループのピーター・カーン副会長兼CEOは、「OTAのリーダー的存在として、AIなどのテクノロジーを駆使し、ベストサービスを提供することで、カスタマーの信頼を勝ち取っていく」と話すとともに、訪日需要が伸びていることから、「日本への投資を強めていく」との考えを示した。

同社によると、エクスペディアでの「東京」の検索数は2年連続で前年比55%近く増加。また、2023年に米国からの旅行者の約半数(48%)がエクスペディア・グループ経由で訪日したと推計。そのうえで、カーン氏は、日本の市場特性に合わせて、テクノロジーによるパーソナルなサービスを提供し、観光庁や日本政府観光局(JNTO)と協力しながら、「まだ知られていない日本にもフォーカスしていきたい」と話した。

エクスペディア・グループでは、エクスペディア、ホテルズ・ドットコム(Hotels.com)、バーボ(vrbo)で数年にわたってテクノロジー改革を進めてきた。ChatGPTを活用し、旅程作成、旅行計画で友人や家族とアイデアを共有できる「トリッププランナー」をリリースしたほか、航空券の価格変動を追跡する「プライストラッカー」、宿泊施設のさまざまな要素を比較する「スマートショッピング」、都市ごとに最適な旅行を提案する「ダイナミック旅行ガイド」などの新機能を追加している。

さらに、日本市場向けには、新たに24時間年中無休で電話による日本語音声サポートとXでのチャットサポートを始めた。

日本市場への期待を語るカーンCEO。このほか、カーン氏は2024年の世界の旅行需要についても言及。「コロナ後の旅行ブームは終わり、コロナ前の通常の状況に落ち着くが、旅行市場は引き続き健全だろう」との見解を示した。また、回復が遅れる日本人の海外旅行については、「経済的要因が大きいだろう」との見方を示したうえで、エクスペディアのパッケージ割引きや、ロイヤリティプログラムでの会員向け特別価格などの活用を提案した。

今年からは、エクスペディア、ホテルズ・ドットコム、バーボの会員プログラム統一した「One Key」のグローバル展開を開始する予定だ。

(左から)エクスペディア ホールディングス代表取締役の木村奈津子氏、ピーター・カーンCEO、ブランド統括のジョン・ギーゼルマン氏

日本向けに新たなブランドメッセージ、CM放映も

エクスペディアは、グローバルで展開するブランドメッセージ「Made to Travel」を日本市場向けに「いつものそとへ」とし、新たなキャンペーンを開始する。目的のある旅行とその旅行への情熱に焦点を当てた複数パターンの短編ストーリーを紹介していく。また、「Two Step」というタイトルのCMの放映も開始。広告パートナーシップを結んだNetflixでも2024年を通して放映される。

エクスペディア・グループ・ブランド統括のジョン・ギーゼルマン氏は、「今こそ日本でのマーケティングを強化すべき時」と強調。「その土地に合わせて、コロナ禍後の今の旅行者を理解し、旅行に対する根本的な欲求を支援していく」と、新たなマーケティングキャンペーンの意図を説明した。


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