能登地震後のインバウンドの意識、欧米豪の旅行者「特に影響ない」が3割、JTB総研が12か国・地域を調査

JTB総合研究所が2024年能登半島地震の訪日旅行への影響について海外12カ国・地域を対象に実施した調査結果を公表した。

訪日旅行への意識に影響があるものの、その一方で地震が発生した地域に関心を持つきっかけにもなっている傾向がうかがえた。訪日意向がある外国人からは「現地の状況をもっと知りたい」との声も多く、同研究所は「詳細な情報提供による不安の払しょくが、早い回復につながると期待される」などと分析している。

調査は2024年3月14~18日にインターネットで実施。中国(541)、香港(489)、台湾(540)、韓国(540)、タイ(541)、シンガポール(537)、インド(571)、イギリス(540)、フランス(544)、ドイツ(540)、アメリカ(540)、オーストラリア(539)に居住する20歳以上の男女から回答を得た。カッコ内はサンプル数。

若い世代ほど関心高い訪日旅行

調査結果によると、12カ国・地域全体での訪日旅行意向は71.9%。地域別では東南/南アジアが82%と最も高く、東アジアが79.1%、欧米豪が60%だった。欧米豪は20代68%、30代63.8%、40歳以上51.1%と、年齢が若いほど訪日旅行への関心が高い。

JTB総研発表資料より

訪日旅行に「関心があって、いきたい」と回答した人に、能登地震による訪日旅行、北陸エリアの訪問への影響を聞いたところ、全体で「ここ1~2年は日本旅行を控えたくなった」が23.8%、「しばらくの間、北陸地域を訪れるのは避けようと思った」は23.1%だった。ただ、「地震のニュースで北陸を知り、関心を持った」が26.3%、「現地の状況について、もっと知りたい」が27.7%に上っており、より詳しい現地に関する情報発信の重要性がうかがえる。

なお、地域別にみると、欧米豪からの旅行者は「訪日旅行への影響は特にない(30.7%)」が最も高く、「しばらくの間、北陸地域を訪れるのは避ける」は 14.1%と低かった。

JTB総研発表資料より

訪日旅行でしてみたいことに関しては、「自然景観を楽しむ」(53.7%)、「本場の日本料理を食べる」(52.5%)、「日本の伝統的な郷土料理を食べる」(51%)、「温泉」(41.9%)、「日本文化の体験」(41.9%)などが上位となり、日本を代表するコンテンツとして安定的な人気だった。

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