持続可能な農泊モデル地域、5地域を選定、岩手県遠野市や山梨県身延町など

農山漁村振興交付金を活用した「持続可能な農泊モデル地域創出支援事業」で、全国18の農泊地域の応募から、5つの農泊地域をモデル地域が選定された。

この事業は、「〇〇な農泊といえばこの地域」といえるような、農泊地域を目指す取組みを支援するもの。選定された地域には、「磨き上げに係る取組の支援、伴走支援専門家の派遣」と「農山漁村地域の活性化や観光に親和性の高い企業による協賛」の2つの支援がおこなわれる。選定された農泊モデル地域は以下のとおり。

岩手県遠野市「遠野ふるさと体験協議会」

2019年に設置された「旅の産地直売所」を拠点に、「ありのままの遠野を旅しよう」をキーワードに、まち歩きやサイクリングなどの体験を提供。旅の産地直売所のコーディネート・情報発信・販売に関する機能を拡充させ、体験と農家民宿を組み合わせた滞在プログラムを国内外の個人旅行者に訴求している。

福島県郡山市「逢瀬いなか体験交流協議会」

リピーターや移住者が新規来訪者を呼び込むプログラムを一緒に考えていく「貢献型旅行」を企画・運営し、関係人口の深化・拡大の両方を目指している。地区内のワイナリーと連携し、ワイン用ブドウの収穫と、マルシェや料理教室などのイベントを組み合わせるとともに、SNSなどのオンラインコミュニティを整備した。

山梨県身延町「みのぶ農泊地域連携協議会」

仏教文化体験、精進料理(ヴィーガン)、本物の日本体験ができる地域として、宿坊と体験を組み合わせたプログラムを販売。欧州の日本文化に関心の高い層や、「あけぼの大豆(GI認定)」を活用した精進料理など日本料理を学びたい外国人を対象にしている。

京都府南丹市「南丹市美山観光まちづくり協会」

「かやぶきの里」の美しい田園風景を保全・継承していることでUNツーリズムからベスト・ツーリズム・ビレッジに認定された美山。台湾や豪州など海外からの教育旅行や個人旅行者が多く、さらなるインバウンド誘致に向けて、農泊が持続可能な地域づくりに貢献するあり方を発信。

和歌山県那智勝浦町「太田川流域農泊振興協議会」

無人化した寺院を宿坊として再生し、熊野古道を訪れる国内外の旅行者に伝統文化の体験や地域の食材を提供。新たな宿坊の開業に向けて投資を集めながら、寄付者に対して農業体験などへの参加(来訪)を促すなど、地域課題の解決に貢献する関係人口につなげていく仕組み作りを進めている。

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