デロイト トーマツは、日本国内のTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界の企業を対象にした過去3決算期の収益(売上高)に基づく成長率のランキング「Technology Fast 50 2024 Japan」を発表した。
2024年度の1位は、女性の健康課題に取り組む「mederi(メデリ)」で成長率は10596.7%と前回1位企業の1442.9%を大きく上回った。2位は高精細小型レーダー衛星の開発を手掛ける「QPS研究所」で成長率は8721.6%。3位は電動マイクロモビリティシェアリングサービス「LUUP」で成長率は1732.5%を記録した。
前回、成長率1000%(11倍)を超えたのは1社のみだったが、今回は1~3位および4位のJDSCが1000%越え。最も多かったのは、成長率150~300%未満のゾーンで15社だった。
2023年度は新型コロナウイルスの5類移行に伴って景況感が改善し、企業の設備投資も活発だったため高い伸びを示し平均は283%となったが、2024年度はその傾向がさらに加速し、平均は689.1%と大きく伸びた。
業種別に見ると、最も多かったのは前回と同様にソフトウェアで全体の6割近くを占め、これに通信を合わせた割合は8割と前回と同じ比率となった。
受賞企業の売上高規模の内訳では、50億円未満の受賞企業(10億円未満、10億~50億円未満の合計)の割合が前回の92%から2024年度は82%に減少。一方、前回ゼロだった50億~100億円未満の企業は8%、100億円以上(100億~500億円未満、500億円以上)の企業は10%と前回より2ポイント上回った。
Technology Fast 50 2024 Japanトップ10は以下の通り。
- mederi (10596.7%)
- QPS研究所(8721.6%)
- LUUP(1732.5%)
- JDSC(1064.4%)
- Cellid(802.7%)
- SAKURUG(749.9%)
- すむたす(671.2%)
- ペイトナー(616.6%)
- M&A総研ホールディングス(550.7%)
- Unito(538.6%)
観光関連ではUnito、matsuri、TradFitがランクイン
観光関連では、10位にUnitoがランクイン。同社は、帰らない日は家賃がかからない家賃システム「リレント」を導入したホテル・サービスアパートメントの企画・運営を行い、オンラインで契約完結・最短即日に住むことができる部屋探しプラットフォーム「unito」を運営している。
また、空間の価値を最大化するソリューション「StayX」を提供するmatsuri(438.9%)が12位に入った。同社は、インターネットでの集客や、リアルタイムでの在庫管理、価格調整、AIを用いた清掃員管理などで民泊運営を支援。大阪関西万博に向けても民泊支援を強化している。
23位には、AIを活用したクラウドサービスで、宿泊施設の人手不足の解消や多言語対応・データドリブン経営を支援するTradFit(250.0%)が入った。同社は、生成AI、音声AI、IoT、ロボティクス、生体認証テクノロジーなどを活用したサービスプラットフォーム」事業を、観光、宿泊施設、病院、介護施設、行政自治体など向けに展開している。