京都市観光協会(DMO KYOTO)は、2024年の京都市内主要ホテル(107軒~115軒)の宿泊統計をまとめた。
それによると、2024年の年間の客室稼働率は78.5%となり、前年の73.4%を5.1ポイント上回った。2019年の81.3%からは2.8ポイント減に留まったものの、5月、10月、12月は2019年同月を上回る水準にまで回復した。
平均客室単価は、過去最高の2万195円となり、前年の1万7403円、2019年の1万5610円を上回った。客室収益指数(1室あたりの売上高に相当)は1万5853円となり、前年の1万2774円、2019年の1万2691円を上回った。同協会では、原材料費の高騰や人手不足の影響で利益確保のために稼動率よりも価格重視にシフトした施設が増えていたと指摘している。
また、市内の主要旅館(23軒~25軒)では、稼働率が前年比0.5ポイント増、2019年比0.1ポイント減の61.6%。人手不足の影響などで休業日や販売可能客室数を減らしている施設や1施設あたりの修学旅行利用人数が減っている施設もあるという。
紅葉の色づき遅れ、12月への需要シフトも
2024年12月の稼働率は2019年同月比4.8ポイント増の80.9%。DMO KYOTOでは、例年よりも、紅葉の色づきが遅れたことで一部の宿泊需要が11月から12月にずれ込んだことが要因と分析している。
12月の日本人延べ宿泊数は、11月から5.5%増えて39万5636泊となり、統計開始以来初めて11月よりも12月が多くなった。2019年同月比は36.3%増。
12月の外国人延べ宿泊数は、前年同月比32.7%増、2019年同月比120.5%増の51万9229泊で、総延べ宿泊者数に占める外国人比率は56.8%となった。国・地域別では中国が最多で、全体の24.5%を占めた。
DMO KYOTOは、今後の客室稼働率について、1月は66.0%、2月は66.6%、3月は75.4%と予想。1月28日~2月4日の春節期間は、前年と大きな変化が無い見通し。2月と3月は梅や桜の開花のタイミングによって、間際での予約が増える可能性があると見ている。