観光庁が発表した宿泊旅行統計の2019年・年間値(速報値)によると、日本人と外国人を含む全体の延べ宿泊者数は、前年比1.0%増の5億4324万人泊だった。このうち、日本人は0.4%減の4億4180万人泊で微減となったが、外国人は7.6%増の1億143万人泊となり、調査開始以来の最高値を記録した。
都道府県別でみると、1位東京都(6620万人泊、0.1%増)、2位大阪府(4451万人泊、11.5%増)、3位北海道(3688万人泊、4.5%増)、4位沖縄県(2704万人泊、0.9%増)、5位千葉県(2683万人泊、4.9%増)で、上位5位は前年と変わらなかった。
さらに都道府県別の数値を外国人宿泊者に限ると、1位東京都(2474万人泊、6.6%増)、2位大阪府(1702万人泊、12.6%増)、3位北海道(85万人泊、2.7%増)、4位京都府(797万人泊、27.1%増)、5位沖縄県(601万人泊、3.1%減)の順。外国人宿泊者数でも上位5位は変わらないが、2位大阪府と4位京都府は2ケタ増。3大都市圏と地方部を比べると、3大都市圏(6223万人泊、11.5%増)の割合が6割超に拡大し、地方部(3921万人泊、1.9%増)は構成比は縮小。地方部では宿泊者数が前年割れの県も多く、外国人旅行者の地方分散は進んでいないようだ。
さらに外国人宿泊者数を国籍別でみると、関係悪化で訪日客数が大幅に激減した韓国(895万人泊、25.1%減)以外は、前年を上回る推移となった。特に、ラグビーW杯で訪日客数が増加した英国(181万人泊、48.9%増)は、延べ宿泊者数が5割増と大幅に増加。訪日旅行者の数では、欧州諸国は東南アジア諸国を下回るが、延べ宿泊者数では上回るケースも多く、滞在日数の長い欧州諸国とアジアの旅行者の旅行スタイルの違いが表れた結果となった。
なお、客室稼働率は前年比0.9ポイント増の62.1%で、リゾートホテル(58.6%、0.3ポイント増)と旅館(39.5%、0.7ポイント増)が微増となった。一方、シティホテル(79.4%、0.8ポイント減)、ビジネスホテル(75.4%、0.1ポイント減)は微減となった。