KNT-CT、親会社ら400億円出資で債務超過の回避、ネット販売と会員事業のシステム投資へ

KNT-CTホールディングスは2021年5月12日、コロナ禍による債務超過の解消に向け、親会社の近鉄グループホールディングスなど3者を割当先に優先株を発行し、計400億円を調達すると発表した。払込期日は6月30日で、債務超過の解消を見込んでいる。

同日発表した2021年3月期連結決算は、売上高が前年同期比77.2%減の879億円、285億円の最終赤字に陥り、96億5400万円の債務超過となった。

2021年は新型コロナウイルス流行の影響で、海外旅行、訪日旅行の取り扱いを原則中止としたほか、国内旅行もGoToトラベルキャンペーンで一時盛り返したものの、感染拡大第3波の影響でキャンペーンが縮小・停止されたことで効果は限定的にとどまった。

第三者割当による資金調達は、親会社の近鉄グループホールディングスが150億円、三菱UFJ銀行、三井住友銀行がそれぞれ資金を貸し付ける合同会社2社が計250億円を引き受ける。

2022年3月期は最終赤字148億円

一方、2022年3月期の業績予想も発表。緊急事態宣言の解除が遅れ、東京オリンピック・パラリンピックの開催が不透明などと想定したうえで、売上高は前年同期比で倍増の1800億円を見込むものの、148億円の最終赤字を予想している。

今後は、店舗営業からウェブ販売への移行、会員制「新・クラブ1000事業」の創設に加え、新型コロナウイルスワクチン接種事業、大河ドラマ館運営の受注をはじめ、旅行業以外の収入確保への傾注を進める。一方で、新・クラブ1000事業関連、個人旅行のダイナミックパッケージ化などのシステム投資に第三者割当での調達資金397億円を充当する計画だ。

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