アメリカンエキスプレス・グローバルビジネストラベル・日本旅行(GBT NTA)代表取締役社長のマルコ・ペリッツア氏が、2022年の年頭所感を発表した。
マルコ・ペリッツア氏は、2021年の主なテーマは、"どう「リコネクト(再び繋がること)」するか" という点だったと振り返り、テクノロジーやバーチャル会議が大きな役割を果たす一方で、直接対面することの重要性や、安全かつサステナブルな移動方法について課題が明らかになったと説明。2022年は、より環境に配慮し、より効率的に旅行をできるソリューションや新技術に投資する方針を表明。Travel Vitals(TM) や Green Compass といったツールやサービスを提供する計画とともに、出張の未来に対して大きな自信を持っているとの展望を示した。
2022年 年頭所感
この2年にわたる大きな混乱は、世界が過去直面した中でも最大級の、経済や社会における課題をいくつももたらしてきました。そして企業や出張者にとっては、自らの提供している価値を見つめなおし、新たなチャンスを模索する時間となりました。
2021年の主なテーマは、どう「リコネクト(再び繋がること)」するか、という点でした。アメリカンエキスプレス・グローバルビジネストラベルが今年半ばに行った調査では、98%のクライアントが年末までに出張を再開する予定だと答えていますし、我慢させられてきた海外出張への需要が高まっていることを、私たちは良く理解しています。そして実際のところ、ワクチン接種率の上昇や制限の緩和に伴い、国内出張を予約するクライアントは着実に増えています。
テクノロジーやバーチャル会議は、ビジネスの交渉や打ち合わせの温度感を変えずに継続するのに大きな役割を果たしましたが、逆に直接会って繋がることが必要不可欠であるということがすぐに明らかになりました。
アジアパシフィック地域のミーティングプランナーに対して、2021年のバーチャルイベント開催時にどのような課題があったかと聞いたところ、彼らがそれぞれ感じた一番大きな問題として、エンゲージメント(愛社精神、愛着心)の欠如、技術的な問題、会議形式やテクノロジーへの不慣れなこと、があげられています。これに加えて、彼らはバーチャルでは会議の目的が達成できないのではないかと懸念していました。他の地域で同様に回答した担当者は8~11%でしたが、アジアパシフィック地域では29%にもなっています。
2021年に日本国内の各種制限が緩和された時に、対面式の会議を設けたいと強く願う人が急激に増えたのは意外なことではありません。2021年のクライアントデータにおいて、中国の上海を抜いて、東京がアジアパシフィック地域におけるナンバーワンの会議開催地に選ばれた(※注)ことでも、このことは証明されています。また大阪も第5位にランクインしています。
人々を再び移動させるために、2つのキー・クエスチョンが、企業、従業員、クライアントのそれぞれ頭の中に浮かんでいるでしょう;どうすれば、安全かつサステナブルな方法で実行できるか?です。
今日のビジネスにおいて、この課題における対応策は新しい局面を迎えています。現状では、出張者は「出発前に知っておくべき」重要な情報を簡単に入手する必要があり、テクノロジーがこれを大規模に実施するのに重要な役割を果たしています。つまり、それがまさに私たちの開発した Travel Vitals のような新プラットフォームなのです。
このような状況の中、企業が従業員を出張に送り出す際、誰かが出張者を見守り、状況を先回りしてモニタリングし、そして旅程に影響を与えるような問題が起きた時にはすぐに連絡をしてもらえる、という安心感を出張者に持ってもらう必要があります。これらのすべてがGBT NTAのような出張管理会社(トラベルマネジメントカンパニーもしくはTMC)の役割です。私たちGBT NTAは、出張者をサポートするためのツールを持ち、テクノロジーへの投資を続けてきました。出張中のアラート送信や、出張者がいるべきところに移動するための代替の方法を探し出す能力は当社の重要な基盤であり、コロナ禍において、それらを更に洗練させています。
環境問題へ取り組むことの必要性については、サステナビリティに対する政府ないしは民間企業のコミットメントの向上が世界レベルで求められています。私たちは業界をリードする旅行会社として、その解決の一端を担う責任があることを認識しております。当社は出張データをより活用する新技術やサービスに投資をしています。例えば、Green Compass(Green travel~環境にやさしい出張~をサポートするテクノロジー)を最近発表いたしました。このような新技術やサービスを提供することで、私たちはクライアントのサステナビリティ目標を達成するようサポートしています。
私たちは、今の環境について確実な予報や予想をすることはほとんど意味がないことを学んできました。政府にとって、人々とウィルスがどのように共存するのかバランスを取るのは難しい課題であり続けることは変わりませんが、繋がりたいという必要不可欠な思いは今後も人々を旅へ向かわせる原動力となり続けるでしょう。旅行業界にいるものとして、私たちはより安全に、より環境に配慮し、そしてより効率的に旅行をできるようにソリューションや新技術に投資していく責務を負っています。私たちは出張の未来に対して非常に大きな自信を持っています-なぜなら私たちは出張がもたらす価値を信じているからです。
※注:資料元 Top Asia Pacific city destinations based on sales of event services by American Express Meetings & Events Oct. 2020—Sept. 2021
アメリカンエキスプレス・グローバルビジネストラベル・日本旅行(GBT NTA)
代表取締役社長 マルコ・ペリッツア