沖縄振興開発金融公庫調査部は、「車(レンタカー)を利用しない観光客が、沖縄観光を楽しむための移動手段」に関する調査研究を実施した。同部では、この結果を踏まえて、「今後の沖縄観光における二次交通についての提言(骨子)」を取りまとめた。
調査によると、「沖縄は車なしでは楽しめない」というイメージが定着していることが伺える結果となった。また、旅行計画時で車を使用しない県内移動手段や車なし旅行の旅行者の実体験の情報が不足していると指摘。そのうえで、事前に車なし旅行の計画を立てれれば、相応の満足感が得られ、「車以外の交通手段で旅行ができる」ことを発信すれば、免許のない人や運転に抵抗がある人でも旅行先として選ばれるとした。
また、ラストワンマイル手段が不足しているため、行きたい場所に行けなかった旅行者も顕在化。そのうえで、沖縄に合ったサービスとして、トゥクトゥク や電動キックボード、子供連れ家族には大きな荷物や子供を乗せて運搬できる自転車「カーゴバイク」の利便性が高いと提案した。
移動手段の情報収集の課題としては、「乗り場情報」「時刻表」「リアルタイム運行状況」など基本情報が見つけにくいことを挙げた。配車アプリによるデータ活用や相乗りサービスなどによって利用者の利便性を高める必要性に触れるとともに、企業として収益性を高めることで、若い世代の運輸業への就業を促していく重要性も指摘した。
今後については、地域や交通事業者間の連携、AIオンデマンド交通の導入などの有効性を挙げるとともに、ライドシェアサービスも旅行者に一定の魅力があると指摘。現行制度を柔軟に運用することで、旅行者も地元事業者にも便益が生まれると提言している。
「ポストコロナ時代における沖縄観光の二次交通に関する調査 ~レンタカーを利用しない観光客のニーズから考える移動手段~」(PDF)