ドバイ経済観光庁、観光客誘致へ「体験」を重視、回復は堅調、旅先テレワークが可能になる新ビザも人気

ドバイ経済観光庁が日本からの観光誘致に力を入れている。インターナショナル・オペレーションズ・シニア・マネージャー、シャハブ・シャヤン氏が先ごろ来日し、ドバイの観光産業の現状と今後についてプレゼンテーションを実施した。

日本人客も前年の2倍で推移

アラブ首長国連邦(UAE)政府は、2031年まで世界からの訪問者数目標を4000万人まで引き上げる計画を策定しており、観光客誘致に注力している。足元では2023年第1四半期(1月~3月)のドバイへの外国人訪問者数は467万人。前年同期比17%増、2019年比98%、ホテル稼働率83%とコロナ前と同水準に回復しており、日本人旅行者も前年の2倍と堅調に戻り始めているという。

ドバイでは、コロナ禍の間にもホテル開発を継続しており、2023年3月末時点でのホテル軒数は814軒、総客室数は14万8877室。2022年同時期比でそれぞれ6%増、2019年比では軒数が14%増、客室数が26%増となった。また、世界の旅行者の潮流が体験重視となっていることを踏まえ、新たな観光素材やテーマでの旅行者へのアピールも積極的におこなっていく方針だ。

コロナ後の新たな観光素材として、シャヤン氏は2021~22年に開催されたドバイ万博のレガシー「エクスポシティ」や、砂漠のイメージが強いドバイでも数キロにわたるビーチがあること、山岳地帯(ハッタ地区)でのグランピング滞在ができること、中東文化を学ぶシェイクムハンマド文化理解センターなどを紹介。「数年前に考えられていたドバイとは違う。」(シャヤン氏)と強調した。

ドバイでは、今秋、COP28(国連気候変動枠組条約締約国会議)の開催も決まっている。これを契機に、観光分野でもサステナビリティへの取り組みを一層強化していく考えだ。

旅先テレワークが可能な新ビザが人気

また、コロナ禍の間、旅先テレワークが可能となる新たなビザの発行も実施してきた。ドバイ経済観光庁によると、2020年10月には、リモートワーカーなどを対象とした「バーチャルワーキングビザ」の制度を開始。1年間有効で、公共施設や学校教育など居住者が受ける標準的な市民サービスの利用が可能となるものだ。UAEでの治療が有効な医療保険、または医療保険付き旅行保険での申請が可能で、ビザ手続きの完了後にはUAE健康保険に変更も可能だという。

シャヤン氏は、「(バーチャルワーキングビザは)人気が高く大きな成功を収めている。今後も大きなチャンスがある。ビジネスだけでなくセカンドホームとしての個人にも活用してもらえる。今後も継続していく方針となっている」ことを明かした。

ドバイでは、2019年12月にはフリーランスや投資家、起業家を対象に5年間または10年間有効で居住しながらビジネスを行うことができるゴールデンビザも開始しており、2022年の発行数は8万に及んだという。

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