電通は、ピラミッドフィルムクアドラ(PFQ)社と共同で高精度なGSP位置情報とオリジナル技術により、乗り物に乗った移動空間上でも対応可能なスマートフォン向け多言語音声観光ガイドシステムを開発した。インバウンドの回復を視野に入れ、DMOや観光施設、メディアなどへの導入を図る。現在は8言語の対応で、今後さらに増やしていく予定。
昨今、旅行先の文化や観光名所をより理解するためのガイドシステムは貴重なツールとなっているが、乗り物に乗った空間上での複数言語に対応した音声ガイドは少なく、需要が顕在化してきているという。
電通とPFQが開発した多言語音声観光ガイドシステムは、GPSを用いた正確な位置情報とオリジナル技術を掛け合わせ。端末につながれたイヤホンを装着した観光客が乗り物で移動しながら、あらかじめ設定されたGPS位置情報のポイントに到着すると、AIもしくはナレーターによる翻訳されたツアーガイドの音声が自動的に流れ、ガイドをおこなう。アプリに言語情報を登録することで、GPSと連動して8カ国語の音声が流れる仕組みだ。
第1弾として、琵琶湖疏水を巡る「びわ湖疏水船」で2024年春の実装を目指している。通算乗船率が9割を超える人気を得ているものの、海外観光客の利用は少なく、複数外国語のガイド対応が課題となっている。