国際的な市場調査会社ユーロモニターが39カ国を対象に実施したライフスタイル調査によると、日本は「一人旅」を実践する人の割合が一番大きい結果となった。
「休暇で旅行に行くとき、誰と行きますか」という問いに対して、「一人で行くことが多い」と答えた人の割合は、世界全体では一番回答数の少ない7.2%。一方、日本は19.2%と約5人に1人が一人旅を選んだ。
また、日本で「一人旅」と回答した人の割合は、2019年の10.4%から5年間でほぼ倍増していることもわかった。
日本の回答者を男女別に見てみると、女性で「一人で行くことが多い」と回答した人は 13.5%、男性は24.2%。世代別では、30〜44歳が24.6%と全世代の中で最も多くなった。
一人旅を好む日本の消費者が増えた理由について、同社では「東アジアは伝統的に集団主義の価値観が強いが、コロナ禍を経て個人よりも社会を優先する考え方に対して疑問を持つ消費者が増え、自分を大切にするセルフケアの意識や個人主義が台頭するようになった」と分析している。
アジア太平洋ではリアルなカスタマーサービスを好む傾向
また、アジア太平洋地域からの訪日旅行者に対して、旅行先を決めるときに重視する事項について聞いたところ、「リラックスできるところ」「食事が美味しいところ」「自然やアウトドアの活動があるところ」「地元の文化に溶け込めるところ」という回答が上位に入った一方、「買い物」は回答者の10%にとどまるなど、モノ消費からコト消費への移行がうかがえる結果となった。
さらに、企業やブランドとやりとりをするときに心地よいと感じる場面・方法では、アジア太平洋地域の半数近くの消費者(48.9%)が 「カスタマーサービスに係る質問をリアルな人間にすること」と回答。「カスタマーサービスに係る単純/複雑な質問をチャットボットに対してすること」 と回答した人の割合(28.2%/21.3%)を大きく上回った。
このほか、アジア太平洋地域の消費者でVR/ARを使用したことのある人に対して、その用途を尋ねたところ、40%が「旅行先の下見のため」、33%が「宿泊先ホテルの見学のために使う」と回答した。