第二次世界大戦中、ドイツ軍の空襲からロンドン市民を守るために建設されたトンネルが観光地に生まれ変わる。ロンドン中心部のホルボーンの地下にあるこのトンネルは、長さ約1.6キロで、一部は2階建てバスが通れるほどの高さがある。
このトンネルが完成した1942年までに、ドイツ軍による大規模空襲(The Blitz)は終わったことから、避難所として使われることはなかった。
開発を進めるロンドン・トンネルズは、トンネル内に博物館、展示スペース、エンターテイメントスペースを建設する予定だという。
地下30メートルの地下要塞は、古い発電機、パイプ、錆びたボルトが迷路のように入り組んでおり、壁からは電線の束が垂れ下がり、ダイヤル、スイッチ、レバーが点在している。また、1950年代から60年代にトンネルで働いていた200人の従業員のためのバーと食堂の跡もある。当時は電話交換所としても使われていた。
トンネルには1944年、スパイ本部も置かれていたことから、映画「007」でジェームズ・ボンドが特殊機器を受け取る「Q支部」を思い起こさせるものだ。
ロンドン・トンネルズのアンガス・マレーCEOによると、建設費用は約1億2000万ポンド(約230億円)。入場料は1人30ポンド(約5760円)を想定し、年間300万人の来場者を見込む。マレーCEOは、25年前にオープンした観覧車「ロンドン・アイ」と同等のインパクトを観光に与えるとしている。
2027年後半から2028年初めまでに一般公開される予定。運営はエンターテイメント会社が行う。
※ポンド円換算は1ポンド192円でトラベルボイス編集部が算出
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