外務省、新型肺炎の拡大で感染危険情報「レベル2」に引き上げ、JTBはツアー催行中止、航空便も欠航相次ぐ

写真:AP通信

外務省は2020年1月23日、中国湖北省・武漢市で発生した新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、武漢市に対する感染症危険情報を「レベル1:十分注意してください」から「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」に引き上げた。武漢市を除く中国全土は引き続きレベル1を発出している。

外務省によると、日本では1月15日に初めて感染患者が確認され、1月23日現在、中国、台湾、タイ、韓国、米国、日本で570例以上の症例が確認されている。

これを受け、JTBでは武漢を含むツアーについて、2月~3月の催行中止を決定した。中止の理由は、「危険情報レベル2以上で原則催行中止」とするJTBの旅行取扱基準を踏まえたもの。該当のツアーはJTBメディアリテーリングの「JTB旅物語」で販売する三国志をテーマにした1コースのみ。

中国最大OTAシートリップを運営するTrip.comグループでは、先ごろ1月31日までの春節を中心とした期間に中国湖北省武漢エリアのホテル、観光施設のチケット、レンタカーや送迎を無料でキャンセル可能と発表したが、23日には、航空券にもその範囲を拡大。武漢を発着する国内・国際線のキャンセル料を無料の対象とした。

成田/武漢線、ANAは欠航、春秋航空日本は当面見合わせに

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中国・武漢市では1月23日10時から市内交通機関を一時停止することを通告。市民に対し、特別な理由なしに武漢を離れないように呼び掛けている。

日本/武漢間の航空便では、全日空(ANA)が毎日運航する成田/武漢線について、1月23日成田発(NH937便)と1月24日武漢発(NH938便)の欠航を決定した。

ANAによると、1月23日17時現在、武漢空港は完全に閉鎖されていないものの、市内公共交通機関がストップし、空港へ向かう高速道路が大渋滞になっている。このため、空港へのアクセスが遮断されているのと等しい状況とみなし、判断した。現在も現地の情報収集に努めており、救済便の運航などを含め、明日以降の対応を検討しているという。

LCCの春秋航空日本は、週3便で運航する成田/武漢線について23日夕刻に当面の間、運航を見合わせることを発表。22日に発表した武漢線での感染を未然防ぐ対応を中国線全線に拡大した。

これは、乗客にマスクの無償配布と機内での着用推奨し、乗務員も全員マスクと手袋を着用。除ウイルス吐瀉物凝固剤や殺菌性消毒剤など感染症予防用具も搭載するもの。機内で咳や発熱のある乗客にはマスクの着用を要請し、成田到着前に検疫に連絡したり、武漢空港でも搭乗手続き時に口頭での健康確認をするなど、感染防止のために必要な対応を行なう。また、2月29日までの航空券購入客(出発前)に対しては、キャンセルや変更に無償で対応する。

*この記事は、2020年1月23日18時現在の情報を掲載しています。

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