ギリシャ、日本を含む諸国から入国制限を緩和、一方で不透明な情勢も

ギリシャ政府は2020年6月15日以降、日本を含む新型コロナウイルス感染リスクが高くない国・地域の空港から渡航する乗客に対してアテネおよびテッサロニキ空港に到着する場合は入国を認める。空港での全乗客に対する検査やその後の隔離措置を行わないと発表した。

ただし、20人に1人程度、無作為に抽出された乗客に対する検査は実施される。

入国制限間緩和に関して、キリアコス・ミツォタキス首相はツイッターで「ギリシャの観光が戻ってくる。ギリシャは海外からの旅行者に国境を開くが、安全な旅行を最優先事項として取り組む。旅行者が安全で健康な滞在を楽しめるように全力を尽くしていく」とメッセージを配信している。

AP通信によると、ミツォタキス首相は「今年の海外旅行者数はかなり減少することを覚悟しなければならない。観光産業の停滞がGDPに与える影響がどれほどになるのか分からない。すべては、ギリシャが安全で快適に旅行が楽しめるデスティネーションであると実感してもらえるかにかかっている」と述べている。

ギリシャはこれまで何年も経済危機に苦しみ、緊縮財政を進めてきた。同国経済にとって観光は屋台骨になっており、2019年の海外旅行者数は2010年比で二倍となる3400万人に増加、観光収入も80%増の180億ユーロ(約2兆1725億円)に拡大するなど、同国の経済を支えていた。

なお、EASA(欧州航空安全機関)空港リストでは感染リスクが高いとされている空港を利用する(トランジットを含む)場合には、引き続き現行の入国制限措置(入国時の検査義務。検査後、指定ホテルで待機して結果が陰性の場合は自主隔離に移行、陽性の場合は当局が指定する施設で14日間隔離される)が適用される。

一方、欧州委員会は加盟国に対して、EUおよびシェンゲン協定域外からの渡航制限を延長し、6月中は措置を継続するように提案しており、今後ギリシャ政府がどのような対応を示すか不透明だ。

なお、在ギリシャ大使館では情勢が不透明であること、日本政府としてギリシャへの渡航は感染症危険情報「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」を発出しているため渡航には注意を促している。

*円換算は1ユーロ120円でトラベルボイスが算出

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